開催を1年延期したというのに、新型コロナウィルス感染を抑え込むことが出来ないまま、開催都市東京が緊急事態宣言下という中で五輪開催が決定された。
     コロナ感染と五輪開催については日本中が1億総評論家よろしく意見渦巻まいていたが、それを踏まえた上で責任を持つIOCやJOCなど5者が協議して出した苦渋の結論である。
    海岸の砂の一粒ほどの責任も権限もない者としては、開催に向けて出来る協力をして行くだけである。
    しかし一方ではコロナ感染対策などで飲食業界を始め夥しい犠牲者がいるわけで、それは重く考えなくてはならない。冷房の効いた部屋でビールを飲みながらテレビ観戦などバチが当たりそうである。

 

    昨日(8日)のNHKテレビの「あさイチ」で、隠岐の島の海女さんのウニ採りの様子やウニ料理などが放映されていた。ウニは私も大好物で幾つかウニの思い出を紹介したい。
    先日野生動物料理「ジビエ」を話題に取り上げた時に、九州の工場勤務時代には猪や鹿の肉など「山の幸」の恩恵に浴したことを書いたが、「海の幸」にも恵まれていた。     
    東京でウニと言うと国産では北海道、三陸地方などの北国産か、多くは安い輸入品が出回っている。輸入はロシア、チリ、韓国等からで、大概保存剤にミョウバンを使っていて芳しくない。
   まだそんな事情を知らない時分に仕事で行ったチリと韓国でそれぞれウニを食べさせてもらったことがある。珍しいものを食べたという思いだけで、今はどちらも味などについての記憶はない。
 
   九州の勤務地は魚介類に恵まれていて、ウニも品位がよいとの評判を聞いた。ムラサキウニより名前は悪いがバフンウニの方が美味しいと知ったのも勤務地でのことだ。
   ある時7、8人のグループで磯遊びをした時に、「ウニは焼いて食うのが一番じゃ」とメンバーの一人が用意してくれたムラサキウニを焚火に放り込んだ。頃合いをみてウニを取り出し、殻を割って身を吸い取り、私は焼きウニというのを初めて食べた。磯の香りと野性味が記憶に残る。
   話変わり、従業員から甥子さんの就職を頼まれて他の工場になったが社員採用をした時、お礼にとその母親から瓶ウニが多量に届いた。実は彼女は海女さんで、自分で採ったウニをすぐ浜で瓶詰めして冷蔵保存している品であり、保存剤は使わず、食塩で味付けしただけのものであった。
   まあ大概の瓶ウニは保存剤にエチルアルコールを使っていて、アルコールの刺激臭はするし舌にもピリリとして食べられたものではないが、これは本当にに美味しかった。その後も何度か恩恵に与ったが、後にも先にもこの瓶ウニ以上のものに出遭ったことはない。

    続いてウニ丼で2題。九州時代に義父の米寿の祝いに一族揃って磯辺の宿で3日過ごした時のこと。毎日の食事が海の幸づくめの中、2日目の昼食はウニを2段に敷き詰めたどんぶりだった。一面にウニを盛ったのでも珍しいが、2段に敷き詰めたウニ丼は、これも後にも先にもない経験である。
   次はがっかりした話で、家内と北海道に行った時のこと。知床半島の羅臼港で昼食となり、「漁協婦人部食堂」という看板を見つけて小躍りした。ここならホンモノが安く食べられるだろうと算段したわけだが、注文したウニ丼はどこでも出てくるような代物で値段も東京並み。観光料金なのだろうか、漁師の賄い飯を期待した方が馬鹿だったようだ。