この時期は次々と季節の花が咲いては散り、また実をつける。 
  道すがらに花を観察している公園ウォーカーには、その移ろいを見逃すまいとなかなかに気の落ち着かない時期でもあるのだ。

          

  今、井の頭公園で一番目につくのが満開のヤマボウシ(山法師)とエゴノキである。
  ヤマボウシは既に登場したので割愛するとして、上がエゴノキの花である。左右の写真は色調が違うが、これは薄暮の中でのフラッシュの有無による。実際はこの中間くらいの色である。


    

  上は左と中がタニウツギ(谷空木)、右はハコネウツギ(箱根空木)。
 タニウツギの花は薄紅色なのに対してハコネウツギは白から紅色に変化するので二色の花が同時に見られる。  
 
 下はウツギである。実は上の二つと下のウツギは親戚ではない。
  タニウツギとハコネウツギはスイカズラ科の植物で、下のウツギはユキノシタ科。
  ”♪♪ 卯の花の匂う垣根に、ホトトギス早も来鳴きて・・・”  と唱歌『夏は来ぬ』で歌われる「卯の花」は下のウツギのことである。 

         

  続いて下は左がガマズミ、右はマユミ(真弓)
  ガマズミは一般には余り馴染みがないかも知れないが、井の頭公園では数か所で見かける。マユミの花は実に幽(かそ)けく目立たない小さな花であるが、その幽けさに趣を感じる人も少なくない。また小さく愛らしい実は秋には橙~赤色に熟して目を引くようになる。
  材はしなやかで、これで弓を作ったということからその名がついたといわれる。