嘘と偽りを纏った暗い森の木々を
薄紫の花を茂らせた
蔦が優しく締め付ける
いつだってただ黙って
いつだってただ優しく
遠い異次元の彼方に恋心を贈る私を
ただ、黙って
ただ、優しく
締め付けるように抱きしめながら
何も言わず
ただ微笑みをくれる
森色の翼
藤色の翼
たとえ誰に恋したとしても
たとえ誰を愛したとしても
ただ、黙って
ただ、優しく
私を離したりしない
森の木を締め付ける蔦は
薄紫の花のような羽のような
そう
どこへだっていけやしない
私がココにいるのは
キリキリと締め上げる心地よい痛み
森色の翼と対なす薄紫の翼は
いつだって
ただ、黙って
ただ、優しく
私の背中の一番冷たいところに
そっと手を載せ
私の四肢に、髪に
至るところに蔦を絡ませ
キリキリと締め上げる心地よい痛み
そう
逃げられない
そう
逃しはしない
私が誰に愛を捧ごうと
いつまでも絡み合う
暗闇のオシイレの中で