きっと
長い長い春を乗り越え
私たちが
オシイレのフスマを開けたとして
それができたとして
きっと
いろいろなものが
世界が
人の命が
間に合わず
きっと
会いたい人に会えない
聞きたい歌が聞けない
それはきっと
私たちの力が及ばない
それも理由だけど
世界がまだ届いていない
もしその時が来ても
その時にはきっともう
あの人はいないんだ
…と
猫のそばに寄り添うあなたを
遠くから見守りながら
今はまだ若く見え続けるあなたの
年老いていく様を見ながら
そう思うよ
…と
書きながら気が付いたんだ
いつだって
私たちがあなたに
会いに行きたい理由は
私たちがあなたに会いたいよりも
あなたに私たちを見てほしい
いつだってそうだった
会いに行きたいよ
私たちを見てほしいよ
今はまだ違うけど
私たちが確かにいたことを
知ってほしいよ
それが叶ったら
きっと泣いてしまうけど
その時はごめんね。