白い
白い、白い仮面。
あなたは仮面をつけなくちゃ
黒い仮面と白い仮面
選びなさい。
白い仮面は。
前の仮面が壊れたので
とりあえずこの仮面付けといて。
そう言われたので
付けただけの仮面でした。
黒い仮面は、
白い人達に悪口ばかり言われていました。
あなたは。
みんなに。
白い白い人たちに。
仮面をあまり付け替えるのは良くないよ。
そう言われたので。
そうなんだろうなと。
特に何も考えず。
もともと付けていた、白い仮面をつけました。
最初のうちは、
白い仮面がとても気に入っていました。
とてもとても気に入ってましたが。
そのうち。
なんだか、ちょっとずつ嫌になってきました。
なぜって?
だって、その仮面を奨めてくれたはずの
白い
白い、白い人たちは、
その仮面が似合わないって言うんですもの。
そして。
そばで見ていた赤い人達は。
その仮面がとても気に入ったらしく。
笑いながら指で突っつきました。
何度も何度も。
突っつきました。
白い白い仮面。
つつくとちょっとへこむんです。
いや、ちょっと違う。
つつく指が届く前に
へこむんです。
そうして
白い
白い、白い。
白かった仮面は。
なんだか、ボコボコと。
へこんだところが多くなってきました。
そして
なんだか、白い仮面が嫌になってきました。
あちこちヒビが入ってきて、
今にも崩れそうに思いました。
あんなにあんなに、
白い人たちは、あなたに。
仮面をあまり付け替えるのは良くないよ。
そう言っていたのに。
いまでは…
あなたがいつ仮面を付け替えるか。
ニヤニヤしながら待っています。
大きな声で、
外から内から、
毎日ヒビが入っていく
白い仮面を笑いながら。
ニヤニヤしながら待っています。
でも、次の仮面はどうしよう。
黒い仮面は絶対嫌だ。
だって、白い人たちは、
黒い仮面の悪口ばかり言うんですもの。
でも、次の仮面はどうしよう。
次の仮面はどうしよう。
白い人たちは、
毎週毎週電話をかけて。
ボロボロにした白い仮面を
似あってますか?
好きですか?
と聞いてきます。
いいのかな?
仮面をあまり付け替えるのは良くないよ。
そう言ってたのに。
でも。
でも。
仮面を変えたくなってきた。
でも、替りの仮面はありません。
でも。
でも。
やっぱり仮面を変えたいよ。
なんで?
だって。
白い。
白い、白い。
白い人たちが。
自分が奨めてくれたくせに。
白い仮面の悪口ばかり言うんですもの。
もう。
分かんなくなってきたよ。
白い仮面は嫌だ。
このまま付けていたくない。
黒い仮面は嫌だ。
だって、白い人がダメって言ってたもの。
他に仮面は…
ない。
他に仮面はないんだもの。
どうするの?
どうするの?
どうするの?
仮面の下の、素顔のあなた。
あなたの顔を次に覆う仮面は…
一体どんな仮面でしょう?
聞こえるよ。
聞こえるよ。
聞こえるよ。
白い。
白い、白い人たちは。
白い正義の名のもとに。
大きな大きな大きな声で。
毎日毎日責めながら
全ては僕らの掌の。
掌の上の出来事と。
ニヤニヤニヤリと笑ってる。
いいのよね。
これで。
白い人達の言われるままに。
あなたが決めたことでしょう?