急に寒くなりました。
秋のイベントが終わり、高尾の紅葉は見頃を迎えています。
多摩では初霜も見られ、冬の訪れを感じるこの頃です。
先週末はFITの親子観察会が予定されていましたが、あいにくの雨のため中止となりました。
私も班長としてご案内することになっておりましたので、残念です。
その他にも、毎月恒例となった高尾山GREEN CLEAN作戦にも参加し、自然の魅力をご紹介しながらのゴミ拾いを参加者の方と楽しんだりしております。
日付・場所は前後しますが、そんな中で見られたものを幾つかご紹介します。
まずは実りの秋ということで、ジャケツイバラが種をつけていました。
この形はどのように種子が散布されるのか、イマイチよくわかりません。
弾けて飛ばすのなら種は付いていないし、船のようにして水にでも流されるのでしょうか?
調べることも大切ですが、想像するのも楽しいもの。
むしろフィールドでは、そういった「何でだろう?」を、私は大切にしたいと思っています。
冬も近づくと、赤い実が目立ちます。ヤブコウジです。
センリョウ科のセンリョウ(千両)や、同じヤブコウジ科のカラタチバナ(百両)、マンリョウ(万両)と並べてジュウリョウ(十両)とも呼ばれます。
まだ花の残っていたツリフネソウ。確かに、船がぶらさがったような形の花です。
種子は自ら弾け、周囲に分散します。
「ハグマ」は漢字で「白熊」。
ヤクの白い尻尾の毛のことで、払子などの装飾に使われているのに花が似ているので、この仲間は「~ハグマ」の名を持っているそうです。
今度は変わりダネ。これは何でしょう?
カミキリムシからカビが生えています。
これは麦角菌(バッカクキン)と呼ばれる菌の仕業。神経中枢を瞬殺し、そのまま寄生して成長します。
同じ仲間が、お馴染みの冬虫夏草です。
嬉しかったのが、念願のヤママユガの繭を見つけたことです。
ヤママユガは天蚕とも呼ばれ、薄黄緑色の美しく貴重な糸が取れます。
こうした自然の恵みを、昔の人は大切に利用していました。
“共生”というと堅苦しく聞こえますが、少し遡れば、それが当たり前の暮らしだったんだということに気付かされます。
野山に混じり親しみを取り戻していくと、人もまた自然の一部であった頃が垣間見えてきます。