本日は、「立春」。
“春の気たつを以て也”(暦便覧)
旧暦では、一年のはじまりと考えられていました。
梅の花が咲き始め、徐々に暖かくなり、春の兆しがそこかしこで見られるようになります。
春の三ヶ月を「発陳(はっちん)」と云います。(出典:黄帝内経)
天地が生き返り、万物が発生すると中国古典書「黄帝内経<素問・四季調神大論>」に記述があります。
「発陳」とは「発生」のことで、すべての物が芽生え、 天地間の万物は生き生きと栄えるようになります。
「発陳」の「陳」は古いものという意味で、「発陳」とは冬の間に溜まっていたものを身体の外に出していくという意味です。
春は植物が芽吹き、虫や動物も活発に動き出す季節です。
そのため人間の場合も、冬の時期に身体の中で眠っていた持病やアレルギーの症状が動き出しはじめるようです。
その生命力や、新しい「陽の気」をたっぷりと取り入れることが、春の季節に合った養生法と言えます。
しかし、まだまだ寒いですよね。
屋内でできるものとして、オレンジやグレープフルーツなど柑橘系の香りを使って深呼吸やストレッチを試してみると良いでしょう。
気を巡らせる「理気」の効果があります。
五行学説によると、『 春は東、東は青色、東方は風を生ず。風は木を、木は酸を生ず。酸は肝を生じ、肝は酸を要す。肝は筋を生じ、目を主る。感情においては怒を表わす。 』と言います。
中医学でいう『肝』とは「肝臓」を指すだけでなく、気血の流れの維持、消化や水液代謝の促進、精神や意識の調節、血液の貯蔵、血量の調節というような身体を全体でとらえた働きも含まれます。
その『肝』を落ち着かせるには、まず第一に心や感情を上手く調整することが大切です。
『肝』の気はストレスを嫌い、巡りに支障をきたします。
そうなると内分泌や自律神経が乱れてしまったり、高血圧や心血管疾病などの病気にもなりやすく、免疫力も低下してしまいます。
イライラせず、穏やかな気持ちでいることで『肝』の気の巡りは良くなります。
春の日差しに誘われるように心身共にのびのびと過ごし、生活リズムを整え、適度な運動で内にこもった症状の原因を解放しましょう。
第二には、春の食養生として『肝』の気を高め過ぎず調和することで胃を養い、消化機能を助けることが重要です。
酸味は控えめに、自然な甘味を多めにとりましょう。
食材は、春に採れる新芽で成長の早い野菜(ニラ・もやし)や、えぐみのある山菜は春に高ぶる肝気の調整をしてくれます。
その他、雑穀などの自然な甘味、香りのよい春菊・菜の花・セロリなどの葉野菜、お茶はハブ茶や甜茶、ジャスミン茶などの花茶がおすすめです。




