■「辰の刻(たつ)」(7-9時)
漢方では五臓六腑の「胃」が担当する時間です。
今回ご紹介する、「辰(たつ)の刻(7-9時)」は、「胃」に気が集中する時間帯です。
漢方的に見ると、朝のだるさとお疲れは、「胃」の元気不足かもしれません。
まずは漢方で考える「胃」の働きを見ていきましょう。
「胃」の働きは3つあります。
(1)受納(じゅのう):口から入った飲食物を受け入れる
(2)腐熟(ふじゅく):飲食物の最初の消化
(3)降濁(こうだく):消化した飲食物を小腸に移動させ次の消化に繋げる
胃は食べ物を受け入れて、「小腸」などと連携を取りながら消化活動が進みます。
「胃」の働きが弱ると...
「食欲がない」
「胃痛、吐き気、嘔吐」
「消化不良」
などの症状があらわれます。
【 胃の働きを活かす辰の刻(7-9時)の過ごし方 】
(1)朝食を摂る
胃に気が集まる時間に、食事をしないのは元気不足に繋がります。
(2)よく噛む!消化の良いものを食べる
胃に負荷をかけないように、ひと口30回以上噛んで食べるのが理想です。
(3)冷たいものNG!
胃を冷やすのは厳禁!冷たいスムージーよりは、味噌汁やスープがおすすめ
「夜は食べ過ぎ注意!」です。
辰の刻(7-9時)を担当する「胃」を働かせるために、夜は食事量を控えることが大切です。
とはいえ、忙しくて朝は食事を抜いている方、夜にがっつり食べてしまう方も多いと思います。
元気はつらつな「胃」のために、「簡単薬膳朝粥」をおすすめします!
【 スープジャーで薬膳朝粥 】
「炊飯器やお鍋は使いたくない…」「1人分だけ作るのは難しい…」
という方に、毎日でも続けられるスープジャーを使ったお手軽レシピです。
〈材料〉
●500mlのスープジャー使用 約1-1.5人前
・白米……大さじ3~4
・熱湯……500ml(スープジャー1杯分)
・昆布…10〜20g (だしは貝柱やかつお節などお好みでOK)
・塩……少々
・和漢食材……お好みで
〈作り方〉
1. スープジャーに白米を入れてジャーいっぱいに、熱湯を注ぎ、菜箸で混ぜたら、蓋をのせて2~3分温めます。
2. ≪出汁作り≫昆布を水に30分浸します。昆布と戻し汁を鍋に入れ、沸騰したら弱火にして1分加熱します。
3. スープジャーのお湯だけを捨てて、お好みで和漢食材を入れます。
4. 2で作った熱々の昆布出汁をジャーに注ぎます。軽く混ぜたらしっかり蓋を閉め3〜4時間置いておきましょう。
5. 食べる時に、お好みで塩を加えます。(梅干しや味噌で塩味を足しても美味!)
【 和漢食材 】
・胃腸が弱っている…高麗人参、みかんの果皮
・肌に潤いが欲しい…松の実、百合根
・女性の味方!…クコの実、ナツメ
曹洞宗の開祖道元が食事作法を記した『赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』には、「粥有十利(しゅうゆうじり)」というお粥を食べる10のメリットが書かれています。
【1】 色(血色を良くする)
【2】 力(力がみなぎる)
【3】 寿(寿命を延ばす)
【4】 楽(食べ過ぎず体が楽になる)
【5】 詞清辯(言葉がはっきりする)
【6】 宿食除(胸やけが治る)
【7】 風除(風邪をひかない)
【8】 飢消(飢えを無くす)
【9】 渇消(のどの渇きを癒す)
【10】大小便調適(便通が良くなる)
良いことづくめですね!
夜寝る前にスープジャーに仕込んでおくと、朝7時に朝粥が食べれますよ。
次回は、日中活発に働きたい方、ダイエットなど代謝アップをしたい方に!
「悩み過ぎは禁物!9-11時の過ごし方」巳の刻(9-11時)の担当である脾経とその時間帯の過ごし方についてです。