【芒種のコラム 子午流注(5)「卯(う)の刻」(5-7時)】
■「卯(う)の刻」(5-7時)
漢方では五臓六腑の「大腸」が担当する時間です。
まずは漢方で考える「大腸」の働きを見ていきましょう。
(1)大便・伝導を主る(つかさどる)
食べ物を消化吸収した後の残渣から余分な水分を吸収し、糞便を作って肛門から体外に排泄する働きです。
大腸の機能が失調すると便秘、下痢、残便感、下腹部の痛みや張りなどの症状があらわれます。
(2)肺と大腸は表裏関係
漢方では「肺と大腸は経絡でつながる表裏関係」
といわれ、肺の気と水を大腸に届けることで大腸から便を排泄するはたらきを促しています。
「肺」と「大腸」のつながりが不調になると、次のようなことが起こります。
□風邪・アレルギー症状があるときに便秘をする
□呼吸器系や皮膚のトラブルがある方は、便秘や下痢など大腸の不調がある。
【快便・快腸のための過ごし方のポイント】
・適度な運動は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促します
・寝る前・夜の飲食は控えめにすることで、寝ている間に胃腸を休ませることができます
・腸は乾燥するのが大敵!寝る前・寝起きのコップ一杯の水分補給を
・便意は無くても、朝にトイレに行く習慣をつけましょう
より良い排便習慣のための方法「腸もみ」をご紹介します。
「大腸」の気が通る経絡は、「手陽明大腸経(てようめいだいちょうけい)」といいます。
手の人差し指からはじまり、腕の外側、親指側の線に沿って肘、肩関節を通って上り、首の付け根の骨(第七頸椎)の位置で左右の経絡が交わり、そこから前へ。
鎖骨の位置から下に下って「肺」と絡み、横隔膜を貫き、おへその左右で「大腸」に纏わります。
また鎖骨のところから上に上がるルートもあり、鼻の脇で止まって、次の経絡に繋がります。
「腸もみ」は、外から刺激をあたえることで、腸の動きを正常に整えるので、すっきりと排便したい!方におすすめの健康法です。
可能なら「大腸」が担当する卯の刻(5-7時)に行い、すっきり排便習慣を目指していきましょう!
【すっきり腸もみ養生法のやり方】
(1)腸をマッサージする前に、大腸経の始まりである手を温めます。
お湯で温めたり、両手をこすり合わせて温めてもOK!
(2)仰向けに寝て膝を立て、おへそのまわりを時計回りに3周、両手のひらでゆっくり押していきます。
(3)次に、両手の親指以外の4本の指を重ねて気持ち良く感じるくらいの強さで、下腹部を時計回りにマッサージしましょう。
もみこんだり、押したまま振動させるように刺激を与えてもGOOD!
(4)最後に、深呼吸しながら腸全体を5周ゆっくり優しくさすって終了です。
時間帯としては、卯の刻(5-7時)に大腸を起こすマッサージとして行うのがおすすめです。
なかなか朝に時間を取れない場合には、入浴後の身体が温まってリラックスしている夜に行うのも良いでしょう。
次回は朝にエンジンがかかりにくい方におすすめ!
「元気はつらつな朝に!7~9時の過ごし方」
辰の刻(7~9時)の担当である胃経とその時間帯の過ごし方についてです。
お楽しみに!


