【子午流注(3)「丑(うし)の刻」(1~3時) 】
■「丑(うし)の刻」(1~3時)
五臓六腑では「肝(かん)」が担当する時間で、「肝」の働きが最も高まる時間帯です。
「肝」の働きを知った上で労わりながら生活すると、「朝までぐっすり快眠」を維持することが出来ます。
まずは漢方で考える「肝」の働きを見ていきましょう!
【漢方で考える「肝」の働き】
「肝」の働きは大きく2つあります。
(1) 疏泄(そせつ)作用
身体のすみずみまでエネルギーである「気」を巡らせる働きです。
西洋医学的にみると、自律神経、精神・情緒の調整などの働きにあたります。
(2) 蔵血(ぞうけつ)作用
全身に栄養を供給し、思考の源でもある「血」を貯蔵する働きです。
中国医学の古典『黄帝内経』には「肝は目に通じ、人は寝ると血が肝に戻ってくる」と書かれており、「肝」に貯蔵されている「血」が目に流れ注がれることで、私達は物を見ると考えます。
起きている間は、「血」が心身の活動をサポートし、寝るときには「肝」に「血」が戻って、翌日の活動に備えて休息をとると考えられています。
この「肝」の働きが弱くなると...
肉体面では、眼精疲労・視力低下・目の充血などの「目のトラブル」、倦怠感、頭痛や肩こりなど。
精神面では、イライラする、神経過敏、落ち着きかない、思考が鈍くなる、気分がふさいでしまうなどの不調があらわれます。
栄養である「血」が不足すると、睡眠の質も下がり翌日の活動も鈍るので、「肝」を労わることが大切です。
【「肝」の働きを最大限に活かして快眠を維持する過ごし方 】
・夜更かししない
・寝る前に目や頭を使いすぎない
・寝る前の飲食・飲酒は控える
体内時計を崩すのは誤った「食生活」と「光」です。
夜遅くの食事は、睡眠時間中にも胃腸を働かせることになり、睡眠の質が下がります。
また、ブルーライト(スマホやパソコンなどの光)を浴びすぎると、脳が昼と勘違いして体内時計が乱れます。
とは言っても、「残業が多い」「夜遅くに家族が帰ってくる」など、自分の意思にかかわらずに夜ふかしになってしまう方もいますよね?
夜ゆっくりと休めない方に「肝」を整えるお手軽ケア【漢方流アロマアイマスク】をご紹介します。
目のケアとリラックスをすることで「肝」のケアができますよ♪
【 漢方流アロマアイマスク 】
患部に温かいものを当てる「温庵法」、冷たいものを当てる「冷庵法」という方法があります。
アイマスクは温めるものが一般的ですが、目を温めた時と冷やした時、どちらの方が気持ちがいいのか、その時の体調や状態にあわせて行うのがおすすめです。
(1) 目がすっぽり覆われるくらいのタオルを用意する
(2) お好きなアロマオイルを2~3滴垂らした、温水または冷水にタオルを浸して軽く絞る
(3) 入浴中に、用意したタオルで目をすっぽり覆ってアイマスクをする
(4) ぬるくなったら再度水に浸して絞り、アイマスクをする
(5) 目がスッキリした!と感じたら終了
「肝」は目に通じ、リラックスできる好きな香りは「気」を良く巡らせます。
忙しい時は市販のアイマスクでもかまいません。
目を通じて「肝」を労り、睡眠の質向上を心がけましょう。
次回は、風邪をひきやすい方、アレルギー体質の方は必見!
「肺の元気をつけて、免疫力強化!3~5時の過ごし方」です。
寅の刻(3~5時)の担当である肺経とその時間帯の過ごし方について語ります。
お楽しみに!





