本日は、「秋分」。

 

“ 陰陽の中分となれば也 ”(暦便覧)

 

「春分」と同じく太陽が真東から昇り、真西に沈む、昼と夜の長さが同じになる日です。

仏教では、極楽浄土があるという真西に太陽が沈むことから、亡くなった人を偲ぶ日とされています。



この頃になると、夏の間に鳴り響いた雷が収まり、空にはもこもことした鱗雲があらわれます。

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉の通り、残暑も落ち着き、秋の気候へと変わっていきます。

 

 

気持ちのよい爽やかなこの季節にも体調を崩す要因は潜んでいるので、油断は禁物です。

秋分を過ぎると、日毎気温も下がり、秋雨も身体を冷やすようになります。

『素問・至真要大論』の説に「謹んで陰陽の所在を調べ、バランスを期し」とあるように、自然の陰陽しかり身体のバランスを保つことで健康を維持できると考えます。

秋はメランコリックに傾きやすいので、楽観的な気持ちを保ち、穏やかで寛容な心持で過ごすことが推奨されます。

 

また、中医学では現在の体調は一つ前の季節の養生によってつくられるものと考えています。

秋に身体を整えることは、冬を元気に過ごす準備にもなるため、食べ過ぎに注意しながら、秋の味覚で「気血」を補い 寒さに負けない身体づくりを始めましょう。

 


秋は空気が乾燥しやすい時期です。

毎日の食事で「燥邪」を発散し、身体の内側から潤いを補給しましょう!

潤い食材には、咳や肌の乾燥を防ぐ効果があります。

使う食材は、生姜・大根・紫蘇・葱・白菜・菊・三つ葉に、牛蒡・蓮根・百合根・杏仁・銀杏・ミカン類に、白木耳、棗、鶏、ゴマ、豚足、はちみつなどがおすすめです。

他にも水分不足を補う食べ物に、サトイモや長イモ・松の実・クルミ・豚肉・イカ・ハマグリなどがありますので、献立によっていろいろ使い分けてみてはいかがでしょう?