冬至祭は世界中で見られ、その多くは「火の祭り」に関係しているようです。


キリスト降誕祭が1225に制定されたのは4世紀頃になります。

かつてこの日は太陽神ミトラの復活を祝う、もっとも重要な祝祭日でした。

 

日本では旧暦の11月にあたり、火の神を祀る「ふいご祭」や「御火焚」、自然の再生を願って魂振りをする「霜月神楽」が行われています。



旧暦の11月は神や自然が衰弱する時期であり、「魂振の儀式」などを行って魂の再生・更新を願い、新年に備えるために神楽が行われたようです。

その際に熊野の再生儀式であった「湯の清まり」と「忌籠の呪法」が取り入れられて、それが「湯立」として残ったとされています。

 


「霜月神楽」の方法はそれぞれの地域・神社によって差異はあるものの、基本的には儀式に先立って特定の川や滝から汲んだ水を釜で沸かした湯を神前に供えて、

「祈祷の湯立」を行った後に参加者に振り掛けることで祓禊とします。

招待神の名前が書かれた神名帳を読上げるところから始まり、前夜の素面による採物舞の「神招き」「神讃めの願上」夜半の招待神の「神送り」「直会(なおらい)」後夜の鬼や翁などの面形舞の「神遊び」「祝福の式」の順序で行われます。

特に神位は低いものの地元とのつながりが密接な神に対しては、厚礼をもって接するそうです。

 

そう考えると、冬の街を盛んに彩るイルミネーションやキャンドルの灯りも、人間の根源的な意識に働きかける火の存在を思い出させます。



「一陽来復」を願う希望の光は、いつの世も変わらず、人々の心を明るく温かく照らしてくれるのでしょう。