今にして思えば えび色に染まった大地の背骨を見たその日から
わたしの外側は 日常に向かい
わたしの内側は あなたに向かっている

猫の額ほどの沈黙に
わたしの全部は とても窮屈だ
それでも 今ここにある潔い不快に
敬意を払い あくびのひとつでも
見せつけたらどうだろう

もう とうに笑うことさえ忘れてしまったと 言わんばかりに
見開き 喉奥にしがみついているこの子らを
やっとのことでなだめ 今日を終えたというのに
また思い出しているというのか
このキオクときたら まったく

知っていたよ こうなることは
だからって
何かを変えようとは思わなかったんだ

理屈や秩序や良識を遠ざけ
空っぽになったあなたが
閉ざした心のおりあいをつけようと置き去りにした 飢渇も全部
私が 拾い集めれば
それで良かった

知っていたよ
いつも迷っていたこと
だからって
手を差し伸べようとは
思わなかったんだ 少しも

腫上がったまぶたは 雄弁に語るのに
あなたは 稚拙な私の言葉など
どこかに放り投げてしまうだろうことなど
出会う前から 百も承知のうえなんです

ただいつか
あなたが言う そんなものが 必ず 
いとおしいと感じる日がくるから

その日まで
私が育てていれば
それで良かった

あなたが踏みにじったその花は
無念だったでしょうね
でもね
ペチャンコこになったその身体で
あなたのかかとを赦したの

きっと気づいていたんだと思うよ
あなたの髪は
日差しの匂いがするって
みんなには まだ内緒だよ