毎年春先には桜鯛がお魚屋さんの店頭を一面に飾りますが、今年は何時になく鯛の姿が少ないような気がします。

それは気候のせいなのか?それとも気のせいなのかは定かではありませんが・・・

鯛が出回ったら、今年は是非お茶漬けにしていただきたいと思いシーズンになってからずっとずっと待っていました。


以前ニュージーランドに住んでいたときには、生のままいただける鯛は、海から釣ってこなければ食べられませんでした。

我が家では、運良く釣り好きの知人が側にいたので、釣りの苦労をすることなくいただくことが出来ました。

ニュージーランドでは例え個人の釣りといっても規制が厳しく、その魚種ごとに大きさや漁獲数、更に捕っていい時間までもがきちんと定められ、魚や貝採りなどをしていると広い海岸にもかかわらず監視員がやたらと見回りに来ます。そして、違反するとその獲物だけではなく、それに使った道具から船に至るまで魚採りに関するあらゆるものが没収となってしまいます。

その鯛の捕っていいサイズは、頭の先から尾びれの付け根までの長さが26cm以上なければなりません。それ以下のものは、例え釣り上げて死んでしまっても海に帰さなければならないのです。

このニュージーランドの鯛は、姿はほとんど同じなのですが日本の真鯛とは少し種類が違うそうです。また食べている餌も違うので鯛自体の味もちょっと違いますし、身も少し柔らかめですが、あっさりしながらも脂ののった白身の上品な味は同じです。

そして知人から頂戴するものは、規定の最低を遙かに超えた巨大なものを複数いただくことが多かったので、もちろん一枚は生のまま、後はいろいろなお料理へと変身していきました。

しかし、その一枚目もあまりに大きいので家族で普通にお刺身でいただくだけでは余ってしまうため、薄いそぎ切りにしてお刺身と同時にお茶漬けにしたりして贅沢にいただくことが多かったですね。

そして、今回その懐かしい味を久々に再現すべく手頃な鯛を見つけたので丸々一匹買い求めてきました。

鯛を自分で捌くことが出来る方は、三枚おろしにして身はお刺身用に、そして骨と頭の部分はお出汁用にします。お魚屋さんに捌いてもらう場合は、お刺身用にしてもらいアラは持ち帰るようにして下さい。

お茶漬けとはいうものの、今回はお茶ではなく鯛の味を一層引き立たせることが出来る鯛のアラでとったお出汁をかけていただきます。

そして、白髪ネギをたっぷりのせ、三つ葉も添えて。しかし、残念ながら今回は三つ葉が見つからなかったので、大葉で代用しました。

でも、出来たら三つ葉の方があいますので、お試しになる方は大葉ではなく是非三つ葉をお使いになってみて下さいね。

またお出汁は、ぬるいと生臭くなりますので必ず熱々のものをかけるようにし、ご飯も炊きたての温かいものを使うようにして下さい。

あっさりとした鯛と香味野菜、そしてワサビの香りがさわやかな季節を感じさせてくれる一品です。




一緒にいただいたものは、

クローバー ほうれん草とのりのおひたし
クローバー 甘味噌でいただく揚げナス
クローバー 長芋とキュウリの酢の物
クローバー 竹の子のじかカツオ煮





鯛 鯛茶漬け 三つ葉

材料
鯛      1匹・・・・・頭から尾の先までが25cm以上のもの 
アラ     1匹分
塩      小さじ1
日本酒    大さじ1
昆布だし   小さじ1/2~

長ネギ    1~2本
三つ葉    適量・・・・もしくは大葉
白煎り胡麻  適量
ワサビ    適量

温かいご飯  適量

作り方
1)鯛を自分で捌くことが出来る方は三枚おろしにします。身はお刺身にするときと同じように皮と小骨を取り去り薄いそぎ切りにします。そして、骨と頭の部分はお出汁用にとっておきます。お魚屋さんに捌いてもらう場合は、お刺身用にしてもらいアラは持ち帰り、同様に身は薄いそぎ切りにします。切った身の部分は冷蔵庫に入れておきます。
2)鍋に水を入れ、沸騰したら鯛のアラをさっとくぐらせ冷水を入れたボールにとります。竹串などを使い血合いの部分を取り除き、再度冷水で洗いきれいな鍋に入れ、新たに1000ccの水と塩の半量も入れ火にかけます。
3)煮立ったら少し沸々となる位の火に弱め、途中アクを取り除きながら蓋をせずに煮ます。
4)水が2/3位にまで減ったら火を止め、アラを崩さないように取りだし、布巾を敷いたざるに残った汁をあけて漉しきれいな鍋に移します。
5)残りの塩と日本酒、昆布だしを加え味を調えます。
6)長ネギの白い部分を5cmくらいの長さに切り縦に半分に切ります。芯の部分をはずし縦に細く切って冷水にさらし白髪ネギを作ります。
7)三つ葉は1.5cmくらいの長さに切ります。大葉の場合は縦半分に切り、更に端から細く切りさっと冷水ですすぎすぐにざるに取り水を切ります。
8)鯛のそぎ切りしたものと薬味、煎り胡麻、ワサビをテーブルにだします。盛り付けたご飯の上に各自好みに合わせて鯛と薬味などをのせ、熱々の出し汁をかけます。