ニュージランドは元イギリス領地という事もあり、キリスト教が盛んなので、復活祭の日曜日と、その前後の金曜と月曜は祝日です。

この時期になると、スーパーなどで一斉にイースターエッグという卵を形どったチョコレートやスパイスの利いたホットクロスバンというパンが並びます。

その昔、スパイスや乾燥フルーツが沢山入ったこのパンは、イースターの金曜日(年によって違いますが、今年の場合は4月7日)に焼いてイースターの間食べて、少量を1年間保存していたそうです。スパイスは防腐剤に使われたり、保存料として昔から使われていますが、イースターの金曜日に焼いたパンを具合の悪い時に食べると治るという言い伝えもあるそうです。スパイスは漢方薬と同じで、西洋では薬にする原料も多く、そのパンを食べて病気が軽くなったという事も実際にあったかもしれませんね。

我が家はキリスト教ではないので、イースターのお休み自体は

「やった、4連休!」

と言う以外、特に何もないのですが、チョコレートを親しい方から頂戴したり、また差し上げたりし、そしてクロスバンを食べると、

「今年もこの季節が来た~!」

と、気分だけは盛り上がります。

でも、我が家もニュージーランドに行くまでは、もちろん復活祭には縁も無く、ましてや日本に戻ってからその習慣が続く訳もありませんが、やっぱりクロスバンが食べたい。でも買えない。なので作っちゃえ!!!とレシピ探しが始まりました。

そんな所に、知り合いのシェフが、アイルランド式のクロスバンのレシピをプレゼントしてくれました。その子と違ってパン作りはまだまだ未熟な侑子ですが、ちょっと無謀な挑戦に・・・・

少し過発酵になったものの、まあまあの結果に。味はすごく美味しかったので、また来年再トライかな??

作った次の日に、お茶菓子代わりに食べたのですが、消化を助けるスパイスが入っているせいか、食べると反ってお腹が空いてしまい、ちょっと大変でした

レシピはこちら。合計16個出来ます。実際のレシピは、スパイスがもっときついのですが、少し減らしてスパイスが苦手な方にも食べやすいようにしました。

ドライイースト 小さじ3
砂糖      100グラム
強力粉     450グラム
無塩バター   74グラム・・・室温に戻しておく
シナモン    小さじ2/3
ナツメグ    小さじ2/3
クローブ    小さじ1/8~1/4
コリアンダー  小さじ1/4
オールスパイス 小さじ1/8~1/4
塩       小さじ1
卵       2個
人肌温度の牛乳 225-300ml (これは190mlぐらいから様子を見ながら足していった方が良いみたいです)
カレンズ    75g
サルタナ    50g
オレンジまたは
レモンピール  50g 

つや出し用
牛乳      少々
砂糖      少々
卵黄      一個分

クロス用
薄力粉     50g
無塩バター   大さじ1   
水       大さじ4-5

仕上げ用
無塩バター   大さじ2   


カレンズとサルタナは熱湯にさっとくぐらせて、よく湯切りします。ピールは細かく刻んでおきます。
イーストを、分量から取り分けた大さじ1の砂糖と少量の牛乳で予備発酵しておきます。
大きいボールに粉とバターを入れ、手でバターを馴染ませます。そこに、スパイス、塩と残りの砂糖を入れ、よく混ぜます。
溶き卵を牛乳と合わせたものと予備発酵の終わったイーストを、粉の入ったボールに入れ、混ぜます。ボールに布をかぶせ、2-3分休ませます。
次に手で生地の表面が滑らかになるまでこねます。フルーツを少量づつ数回に分けて入れ、生地の表面に艶が出るまで練り上げます。生地を一つにまとめて、とじ目を下にしてボールに入れ、ラップをかけ30度で2倍になるまで一次発酵をします。
2倍にふくれたらガス抜きをして16個に切り分けます。軽く丸め、とじめをしたにして15~20分ベンチタイムを取ります。
 ベンチタイムの終わった生地を手のひらでつぶし、再び丸め直し、とじ目を下にしてオーブンプレートの上に並べ、35度で30~40分2次発酵します(この時4x4の列を作り、発酵後にくっつくようにすると後の模様付けが楽です)
 薄力粉に溶かした無塩バターと水を加え、よく手で練ってクロス用の生地を作ります。
 発酵が終わったら上につや出し卵を塗り、
直径5ミリの口金をつけた絞り袋クロス用の生地を入れ、並べたパンの上にクロスの模様になるように絞ります。
200度に暖めたオーブンにパンを入れ、すぐに180度に温度を下げ、15分ほど焼きます。
 焼き上がったらラックに取り出し、パンのクロスの部分以外に、乾燥を防ぐために仕上げ用のバターを溶かしたものをまんべんなく塗ります(クロスにバターが付くと茶色くなってしまいます)。