新しい研修・技能実習制度について | 外国人雇用のいろは
こんにちは、弁護士の田中です。
私も東さんと同じく「デスパレートな妻たち」にはまっていた一人です!
さて今回のテーマは「研修・技能実習制度」についてです。
■ 改正の目的
既に平成22年7月から新しい「研修・技能実習制度」が実施(施行)されています。そもそも、この「研修・技能実習制度」とは、日本の技能・技術・知識等を外国人に教え、その外国人が日本で得た技能等を自国で活かすことを目的として創設されたものです。
しかし、一部の受入れ企業において、この本来の目的を十分理解せず、外国人を実質的に低賃金労働者として扱うために「研修・技能実習制度」を悪用するなどの問題がおきたため、研修生・技能実習生の法的保護及びその法的地位の安定を図るため、今回の改正に至りました。
■ 改正のポイント
主な改正ポイントは、
①在留資格「技能実習」の創設
②保証金・違約金等不当な金品徴収等の禁止
③「講習」実施の時期・期間・内容
④監理団体による指導・監督・支援体制の強化、運営の透明化
⑤監理団体等が不正行為を行った場合の受入れ停止期間延長等ペナルテイ
ーの強化、新設
⑥その他(実習実施機関や監理団体の文書保存義務や地方入国管理局への
報告義務など)
です。
■ 在留資格「技能実習」の創設について
この中で今回強調したいのは、①です。
これまでの研修・技能実習制度は、入国1年目は研修生(在留資格は「研修」)として入管法上報酬を受ける活動が禁止されており、労働基準法上の「労働者」には該当しないものとされていました。「労働者」に該当するのは、2年目以降の技能実習(在留資格は「特定活動」に移行)からでした。
しかし、一部の受入れ企業は、研修生が労働者に該当しないことを奇貨として、実態は労働者として扱いながらも低額な研修手当だけで済ますなど研修生・技能実習生の労働法的保護がきちんと受けられていない状況があったのです。
そこで、今回の改正により、「研修」→「特定活動」という在留資格移行を排し、新たに「技能実習」という在留資格を設け、研修・技能実習制度を整備しました(①)。
この在留資格に基づく技能実習生の受入れ方式は、「講習」→「技能実習1号(その後は技能実習2号)」という流れになっています。
まず、原則として2ヶ月以上の「講習」(講習は座学により実施しなければならず、実習実施機関の施設における機械操作教育や安全衛生教育を含めることができません)を行う必要があります。「講習」の内容は、主に日本での生活一般に関する知識、技能実習生の法的保護に必要な情報、円滑な技能等の修得に資する知識、等です。その後に受入れ企業等での技能等習得(技能実習)を行います。
技能実習生が「労働者」に該当する、すなわち労働関係法令が適用となるのは、「講習」後の技能実習段階からです。
こうすることで、技能実習生に日本における生活流儀や自らの法的保護に必要な知識を与え、また実態は労働者として扱っているのに低額な研修手当だけで済ますことなどを排斥しようとしたのです。
ちなみに「講習」期間中は、技能実習生は「労働者」に該当しない以上、労働者として扱うことは許されませんのでご注意を。
参考HP
・「法務省:新しい研修・技能実習制度について(リーフレット)」
http://www.moj.go.jp/content/000023246.pdf
・「厚生労働省:技能実習生の労働条件の確保について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/ginoujisyu-kakuho/
監理団体の方々にとっては、④、⑤も非常に気になるところですが、これはまた次の機会にしたいと思います。