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ネットの資金需要

From 岡田磨左英(中小企業診断士)

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珍しく、テレビのニュースで財政健全化本部(緊縮財政派)と財政政策検討本部(積極財政派)の提言が放送されていました。放送の仕方は十分ではなく、緊縮財政派の提言の放送内容は「PB黒字化の堅持」というもの、積極財政派は「建設国債の発行に躊躇するな」というものでした。

両者の提言を忠実に放送しているとは言い難いものです。財政政策検討本部の提言内容が実に良いものなので、少し紹介しましょう。

提言の骨子は、
1.2025年度のPB黒字化に固執することを断固反対する。
2.建設国債の発行を躊躇すべきではない 
3.国債発行は孫子(まごこ)の借金ではない。孫子への貯蓄である。
4.民間部門の貯蓄超過が日本経済の最大の課題である。
5.政府と民間企業のネットの資金需要を新たな財政指標にすべき
6.国債発行に量的制限はないが、実物資源の供給力には限界がある。

実にまともです。この中で、新たな財政指標として、「政府と民間企業のネットの資金需要」を指標にするべきという目新しい提言が出ています。おそらく財務官僚や政治家は意味が分からないと思います。勉強をしていないからです。

この主張は会田卓司さんが主張していたものですが、興味がある方は、YouTubeで検索してご覧になられてください。

要するに、経済主体の構成要素である「民間企業」と「政府」の資金需要がどうなっているかということです。つまり、両者がお金を十分支出していると資金需要はマイナス、お金を使っていないと資金需要はプラスに出ます。

経済は、「誰かの支出は他の誰かの収入」なので、「政府」や「民間企業」がお金を使わないと「家計」が豊かにならないのです。ネットの資金需要が、小泉政権時の時、第二次安倍政権時は、大きくプラス化しています。これは大きな問題です。

民間が委縮しているときこそ、政府が大きく財政支出をしなければならないのです。この簡単なことがわからないのか。
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発行責任者:岡田磨左英(中小企業診断士)