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通貨発行権がある政府が財政健全化を目指す愚かさ

From 岡田磨左英(中小企業診断士)

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鈴木財務大臣がまた変なことを言っています。まあ財務省から言わされているということでしょう。

以下はNHKのニュースウェブの体裁です。

『鈴木財務相 “基礎的財政収支の来年度黒字化目標 堅持すべき”
 ことしの「骨太の方針」で焦点の一つとなっている、財政健全化目標の扱いについて、鈴木財務大臣は「基礎的財政収支」を来年度に黒字化するという、今の目標を堅持すべきだという考えを示しました。(中略)
 16日に、自民党の積極的な財政出動を求める議員連盟は、期限を区切った黒字化目標を撤廃するよう求める提言をまとめました。
 これに関連して、鈴木財務大臣は17日の閣議のあとの記者会見で「提言の詳細がわからないので申し上げることは控える」としたうえで、「日本の財政状況が厳しい中、金利が上昇して利払い費が増加すれば、他の歳出が圧迫されるリスクや、災害対応など臨機応変な財政出動が必要となる事態も考慮に入れ、財政健全化へ、たゆまぬ努力を継続することが重要だ」と述べました。(後略)』

まずは、基礎的財政収支の黒字化とはいわゆる「PB黒字化」なのですが、要するに国債の発行費と国債の利払い費(国債関係費)を除いた歳出は、税収等の歳出で賄われなければならないという日本独特のガラパゴス目標です。先進国に売りに行っても売れません。(笑)

まずは、この目標自体がナンセンスなのですが、「自民党の積極議連の提言の詳細が分からないので申し上げることは控える」というのは、提言の意味が分からないというただ単に頭が悪いのでしょう。

それに、「金利が上昇して利払い費が増えれば、他の歳出を圧迫する」という主旨の発言がありますが、これも何を言っているのか分からない状態です。国債の利払い費の半分は日銀に払った後、日銀の決裁後多少の経費を控除して、全額国庫納付金として政府に還付されます。何か問題でもあるのでしょうか。利払い費のGDPに占める割合も先進国の中ではとても低い方です。

むしろ、金利が上がるであろうと想定していること自体、疑問です。この不況下で金利が上がるはずもありません。
お金を借りてまで投資しようという需要がないのですから、民間需要もない、政府も需要を作り出す気がない、そんな中で、金利が上がるはずもありません。(笑)

財務省は本当に簿記も分からず、通貨発行権があることも分からず、日銀は実質政府の子会社であることも分からないのでしょう。
愚かの極みです。
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経営成功メール 
発行責任者:岡田磨左英(中小企業診断士)