30年近く国民経済を破壊し続けてきた日本政府

From 岡田磨左英(中小企業診断士)

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先日の2月22日に、日経平均株価は大きく値上がりして、終値では3万9098円68銭をつけ、バブル絶頂期の1989年12月29日の史上最高値、3万8915円87銭を34年ぶりに更新したそうです。

一方、厚生労働省が2月6日に公表した2023年12月の毎月勤労統計(速報)によると、実質賃金は前年比1.9%減少し、21カ月連続のマイナスとなったようです。 物価上昇に賃金の伸びが追いついていない状態が続いているということで、2023年通年でも前年比2.5%減と2年連続で減少し、マイナス幅が拡大したとのことです。

どういうことでしょうか。皆さんの景況感も別に良くなってないけどなというのが実感ではないでしょうか。

これは、実体経済は低迷、金融経済は活況を呈しているということです。

実体経済の話をします。実体経済というのは、ある生産者が10万円の財やサービスを生産しました。

それをある消費者が10万円で購入しました。その結果、その生産者は10万円の所得を得ました。その生産者は10万円を使って、違う生産者が生産する財やサービスを購入しました。というGDPの話ということです。

GDP三面等価の原則は、生産額と支出額と所得額は常に等しいというものです。

この実体経済では、貨幣の流通量が増え、回転スピードが速ければ速いほど、GDPは成長します。

貨幣の量が増えるのは、民間の経済主体である「家計や企業」が銀行からお金を借りて支出した時と政府が国債発行して財政支出をした時です。

一方、実体経済の貨幣量が減るのは、家計や企業(民間の経済主体)が、預金をした時と借入金を返済した時、
そして、政府が徴税して実体経済からお金を吸い上げた時です。

この貨幣量の調節をするのが、政府の役割です。バブル崩壊後、家計や企業が支出をせず、借入をせず、収縮しているときは、政府が支出をし、減税をしなければならなかったにもかかわらず、緊縮財政を取り、増税までしてしまった。

そして、あろうことか、需要不足(支出不足)の時に、構造改革と称して、規制緩和をして、供給を増やし、民間経済に低価格競争をもたらし、民間経済の所得を減らし、結果として、民間経済の支出(投資や消費)を減らし、さらなる需要不足をもたらしてしまった

これが1997年以来、30年近くも日本経済が停滞し、GDPがドイツに抜かれ、世界第4位になった主因なのです。
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岡田磨左英(中小企業診断士)