需要と供給
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「需要と供給」という言葉は、経済学を少しでも学んだことのある方はピンとくるでしょうが、全然学んでいないという方はあまりピンとこないのかもしれません。

結構、重要なキーワードです。需要というのは「財やサービスがほしい」「財やサービスの提供を受けたい」そういうニーズです。
「ケーキが欲しい」「医療サービスを受けたい」そういう財やサービスの提供を受ける側のニーズの総量と言ってもよいでしょう。
一方、供給というのはその反対側で、「財やサービスを提供します」「財やサービスを供給します」ということです。
「ケーキを提供します」「医療サービスを提供します」そういう財やサービスの供給をする側の総量と言ってもよいでしょう。

経済はこの「需要と供給のバランス」「需要と供給のアンバランス」を繰り返しながら、通常は経済成長していくものです。
経済成長というのはGDPが増えるということです。

財やサービスがほしいという需要がある、ならば、財やサービスを提供しようではないか、提供しすぎた、財やサービスの価格が下がる、財やサービスの需要が拡大する、財やサービスの価格が上がる、財やサービスの供給力が上がる、というように、先進国では、需要の拡大に応じて、じわじわと供給能力が向上していく、供給量が増える、財やサービスがふんだんにあり、選択の余地が多く存在する、というように供給力が増大していきます。

しかし、何らかの政策ミスなどで需要が低迷し続けると、供給する側も、供給する設備などが不要になり、廃棄や更新投資をしなくなり、供給能力自体が欠損していきます。これが延々と日本のように30年も続くと、供給力がどんどん落ちてきます。
消費者の選択の余地がだんだんと狭まってくるのです。これは、発展途上国化です。

では、需要が小さくなっていき、価格の下落状態が続く経済下では、どのような政策を打てばよいのでしょうか。
民間は需要の縮小や将来不安になり、投資や消費を減らしていきます。その時に政府は民間と逆の動きをしなければならないのです。
つまり、政府自らが消費をし、投資をしなければならないのです。そして減税をしなければならないのです。

そこで、増税をし、緊縮財政を続けてしまうと、現在の日本のように、衰退していくのです。なぜこんな簡単なことが分からないのか
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岡田磨左英(中小企業診断士)