収益構造を変える四つの手
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今回はマクロ経済ではなく、ミクロの経営についてです。我々経営者はマクロ経済にも影響されるので、マクロ経済を良くするべく、
自分の会社のみならず、国家経営にも参画するべきであると思います。その一方で、どんなマクロ経済下においても、
自分の会社を成功させていくということも大事だと思います。

ゆえに今回は経営の要点の一つをお話ししたいと思います。自分の会社が黒字であれば、現在はよいということでしょう。
赤字であれば、何か問題があると考えなければなりません。

赤字を黒字に変えるには、基本的には4つの手しかありません。一つは固定費を削減すること。二つ目は変動費を削減すること。
三つめは数量を増やすこと。四つ目は価格を上げること。

多くの経営者は最初に上げた3つの手を考えがちです。固定費や変動費の費用を削減することに目を向けがちなのです。
これを「コスト病にかかっている」と認識している経営者は数少ないでしょう。

現在は、特にコストプッシュインフレの時期ですから、費用の削減など困難を極めます。
自分の会社の固定費で削減できるところがあるでしょうか。今までも相当コスト削減に取り組んできたと思われますので、
無理があるでしょう。また、変動費にあたる原材料費や仕入れ商品費、外注費などを削減すると品質が落ちたり、味が落ちたり、
耐久性に問題が出たりして、お客が離れていくリスクが大きいのです。

では、残る道は何か。数量を上げることと価格を上げることです。経済成長していれば数量を上げることは割と簡単な道です。
購入点数を上げるように販促すること。リピートの間隔を短くすること。来店客数を増やすこと。滞在時間を増やすこと。
色々な手があるでしょう。
しかし、デフレ不況、コストプッシュインフレ不況の時は、なかなか思うように数量が伸びないのが現実でしょう。

では、最後の価格を上げること。これは経営者にとって恐怖心の塊となる手です。価格を上げて顧客が離れたらどうしよう。
価格を上げる意味を顧客に説得できない。安くしなければ売れない。安くて良いものを提供するのが商売だ。
などなど、様々な不安がよぎり、その手を打ってこなかったのではないでしょうか。

実は、四つの手のうち、一番経営効率が良いのが、価格を上げることなのです。
しかし恐怖心との闘い、説得力の向上が必要であるなど最も困難で険しい道であるのです。
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発行責任者:岡田磨左英(中小企業診断士)