ブロ友さんが幼い時の思い出を綴っていたのを読み、
ふっと私もたっちゃんを思い出しました。
少し秋を感じるようになった季節に胸がチクリとするたっちゃんとの思い出です。
私が7歳位の時、
たっちゃんは、近所の三つ編みでふっくらしたした高校生のお姉さんでした。
たっちゃんちが、外でラッシーみたいな白い犬を飼っていたので、
私が見に行くと、必ず声を掛けてくれました。
ある日の事
「みぃちゃん、今日は付き合ってくれる?」と、同級生の家に一緒に行ったものの
冷たくあしらわれ
「もういいよ!みぃちゃん帰えろっ!」と言ったたっちゃん。
喧嘩でもしたのだろうか?
そう言えば、たっちゃんが友達といるとこを一度も見たことがない。
嫌われているのかなぁ
こんなに優しい人なのに
と、大きなたっちゃんが小さく見えて胸が痛くなりました。
「みぃちゃん、美味しい物食べに行こう!」と西駅近くの食堂に連れて行ってくれました。
魚フライのタルタルソースが口の周りについて、がむしゃらに食べるたっちゃんは
食べるのが大好きで
「みぃちゃん、また来ようね!」と、誘ってくれましたが
その後、何があったのか分からないけど
母からたっちゃんと食堂に行くのを厳しく止められ、疎遠になったのです。
間もなく、たっちゃんは県外に就職し、
全く見なくなって5,6年の月日が経ち
私が中一の時でした。
季節は、夏の終わり、今頃だった気がします。
近くの小さなストアに行ったら、たっちゃんらしき人が出てきて
お互いに「あ!?」と目が合い、すれ違いました。
「たっちゃんだったかな?だったよね?」と思いながら買い物をしていたら~
出たはずのたっちゃんが入ってきて
「ね?みぃちゃんだよね?」と、声を掛けてきました。
なのに、私ときたら、頷いただけで
何も話せなかったのです。
なんでだろ?
たっちゃんは、私に話しかけるために戻ってきて
買わなくても良いはずの缶ジュース1本を握ってレジに向かい
「みぃちゃん、またね」と笑顔で去りました。
それが最後でした。
寒い冬の夜
たっちゃんは亡くなりました。
まだ、20代の若さでした。
母とお焼香に行き、
おばさんが「ほんと、バカだから!薬を間違って飲み過ぎたみたいで」と怒ったように言ったけど
ある日の寂しそうなたっちゃんの姿を思い出し
自殺したのかな。
辛かったのかな。
私は、なんてことをしたんだろ。
どうして、スーパーで「たっちゃん、元気でしたか?お久しぶりですね」って言えなかったんだろう。
なんで話せなかったんだろう。
たっちゃん、寂しかったよね。
あの時の冷たい同級生と私は一緒だよ!
胸が張り裂けそうだった。
大人になって、たっちゃんちを訪ねたけど
もう家はありませんでした。
今でも、ふっと思い出すたっちゃん
「ごめんね」と手を合わせるしかない、思い出です。