BS 4月に放映される名作映画案内 Part3 | アラフォー世代が楽しめる音楽と映画

アラフォー世代が楽しめる音楽と映画

結婚、育児、人間関係、肌や身体の衰え、将来への不安...
ストレスを抱えるアラフォー世代が、聴いて楽しめる音楽、観て楽しめる映画を紹介します。
でも自分が好きな作品だけです!    

 4月に入り、NHK-BSでは週1回程度のペースでアルフレッド・ヒッチコックの作品を放映している。2年間に亘り放映された名企画「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」があまりにも壮大だった故、つい見落とされ勝ちだが“サスペンスの神様”と謳われたヒッチコック作品は単純に楽しめる。$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画
 個人的にヒッチコックの絶頂期は51年の『見知らぬ乗客』から63年の『 鳥 』までだと思っている。窮地に追い詰められた男(女の場合もあるが...。)の錯綜具合に自然と感情移入し、最後まで飽きさせない展開と予期せぬ結末はスリル満点で圧巻である。また『サイコ』や『 鳥 』では何とも言えぬ嫌な余韻を残させる...。
 さて生涯で50本以上の作品を世に送り出したヒッチコックだが、意外にも監督デビュー作となった『快楽の園』、次回作の『山 鷲』はメロドラマであったのだ。これは昇格したばかりの新人監督はプロデューサーの意向に従わなければならず、自らの志向を主張する立場になかったからである。
 しかし第3作目では女流作家ベロック・ロウンデズのベスト・セラー小説で、舞台化された当初から関心を持っていた『下宿人』を自ら選ぶ幸運に恵まれた。これが彼の最初のスリラー作品で、自他共に認める“初めてのヒッチコック映画”と称される所以となった。

 『下宿人』は興行的にも好成績を収めた。だが彼の立場は幾分か上向きになっただけで、相変わらず会社側の要望に合わせた映画を制作しなければならなかった。何よりヒッチコック自身にまだスリラー映画に専念する気がなかったようだ。参考までにヒッチコックは『下宿人』から8年後の『暗殺者の家』まで13本の作品を発表したが、そのうちスリラー物は『恐喝(ゆすり)』と『殺人!』のみで、他はメロドラマやコメディ風の作品が多かった。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 だが『暗殺者の家』で批評家陣営が好意的な論評をし、また大衆人気も高かったことからヒッチコックはこれを機にスリラー専門に映画を制作しようと決意したのである。
 処で『下宿人』は前述したようにイギリスの女流作家ベロック・ロウンデズの原作であるが、彼女はこの小説を19世紀末にロンドンを恐怖のどん底に陥れた“切り裂きジャック事件”をモチーフに書き上げた。物語では殺人鬼が主人公ではなく、別の一人の青年である。彼は突如として現れて、如何にも怪しげな行動を取る。周りの人々は「彼こそ殺人鬼!」とばかり疑い、刑事は執拗に彼を追う。この展開は後にヒッチコック映画でしばしば目にする“犯人に間違われた男”としてパターン化していく。

$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 冬のロンドンの夕暮れ。またもブロンドの若い女性の惨殺死体が発見された。事件が起こるのは必ず火曜日の夜。絞殺されるのはいつもブロンドの若い娘で、絞殺魔の動機は全く不明。どうやら犯人は黒い外套を纏い、黒い鞄を持っているようだ。そんな連続猟奇殺人事件にロンドン中の若い娘達は恐怖に慄いていた。
 デイジーもその一人だった。彼女の両親は下宿屋を営んでいる。ある夜、黒い外套に黒い鞄を持った、どこか陰気くさい青年が戸口に立っていた。彼は“貸し間有り”の貼り紙を見て、ドアをノックする。部屋に案内しながらも、家の者は皆、彼の素性を怪しんだ。しかも2階の一室に入った青年はいつまでも部屋の中を歩き回るので、それが余計に猜疑心を煽るのであった。
 朝になり、下へ降りてきた青年は仕事に行くわけでもなく、挙動不審な様子。少ない会話や仕草から、最近ロンドン中を騒がしている殺人鬼ではないかと疑惑を深めていく。デイジーは恋人で、ロンドン警視庁に勤める刑事ジョーに相談を持ちかけて、少しでも心を落ち着かせようとする。

 やがて火曜日の夜となった。問題の下宿人は静かに起きると、人目を忍ぶように外へ出て行った。デイジーの母親はその様子を見て、2階へ駆け上がる。しかし部屋には鍵が掛かっていた。その頃、街ではまたも若い娘が惨殺されていた...。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 下宿人は自分が疑われているのも知らず、デイジーに親しく接するようになった。彼女も少し心を開き、青年からの誘いを受けるようになる。当然ながら、恋人ジョーは面白くない。
 また火曜日の夜が来た。何とデイジーは下宿人と一緒に出掛けてしまったではないか! 慌てた両親は方々探し回るが、見つけ出せなかった。夜更け頃、二人が帰ってきた。ジョーは下宿人を逮捕した。部屋を捜索すると、鍵の掛かった戸棚から拳銃や、殺人現場に印を付けた地図が出てきたので、もはや彼が犯人であることは間違いないと思われた。しかし下宿人は連行される途中、隙を見て手錠のまま逃走してしまったのである。

$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 いつの間にか下宿人に恋心を抱くようになったデイジーは彼を必死に探し歩き、その願いが通じたのか、下宿人を見つけた。下宿人はデイジーに「実は僕は殺された妹の復讐を果たす為に殺意鬼を追っているのだ...。」と打ち明けた。
 二人は寒さ凌ぎにパブに寄った。周りの客は青年を見て怪しみ、居た堪れなくなった二人は夜の街に逃げた。次第に追っ手の数が増え、青年は必死になって柵を乗り越えようとしたが、手錠が引っ掛かり宙吊りになってしまう。
 追っ手が迫ったその時に「真犯人逮捕!」の知らせが伝わった。こうして青年への疑念が晴れたのである。青年とデイジーは抱き合って喜んだ...。


『下宿人』/アイヴァ・ノヴェロ&ジューン、マルコム・キーン [DVD]

 もう実際の“切り裂きジャック事件”から百数十年過ぎようとしている。しかし誤解を覚悟で言うと、切り裂きジャックはある意味で世界中のミステリー・ファンを魅了して止まないのも事実だ。それは切り裂きジャック事件こそ、現代殺人事件の幕開けに沿う素養が沢山あるのだ。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 先ず切り裂きジャック事件は以後発生した無差別・猟奇殺人の全てのパターンを網羅している。被害者に横の繋がりはなく、怨恨や金目当ての犯行でもない。また被害に遭った女性は性的暴行もされていない。そこには唯「人を殺す!」の一点のみなのだ。今から百数十年前の人々の多くは貧しいながらも真っ当な生活を送っていたと思う。少なくとも我儘一杯に育ってきた現代人より、ずっと分別がある。諍いはあっても殺人までには発展しない。つまり殺人ともなれば何らかの動機がある筈で、切り裂きジャック事件にような理由無き殺人など考えが及ばなかったのだ。
 しかも殺し方が鮮やかで常道を逸していた。喉元を深く掻き切るだけでなく、皮一枚だけの殆ど切断状態であった。顔は識別不能なほど切り裂かれ、腹部は深く抉っては内臓の一部は持ち去っていく。その残虐性は美しくさえ見える。(また暴言を吐いてしまった!)

 哀れな犠牲者は全て夜の娼婦達。この辺りにもミステリー・ファンは興味を抱かれると思う。公的な犠牲者数は5名。事件は1888年8月31日から11月9日までの約2ヶ月に亘って続いた。犠牲者が悲鳴を上げる間もないほどの手際の良さとナイフ捌き。夜の霧の中で女性達は次々と無残な姿に変わり果てていったのだ。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 切り裂きジャックに対してロンドン警視庁は面子に掛けて真犯人を捕まえようと躍起になった。警察犬も動員し、ローラー作戦を展開。容疑者と思しき男とを多数検挙した。しかしその男からも決定的証拠を上げられず頓挫する。大衆の非難は警察に集中し、総監辞任にまで発展した。
 ミステリー・ファンを魅了するもう一つの理由は最後の犯行後、切り裂きジャックが忽然と姿を消して二度と現れなかったことだ。以後、女性が襲われる事件は発生しなかった。このことから切り裂きジャックの人物像、何故ロンドン警視庁は彼を捕まえられなかったのか等々、想像を膨らますのだ。頭の中は時空を越えて、ロマンチックな情感さえ浮かんでくる...。

 理由無き殺人、霧のロンドン、娼婦の残虐死体、姿を眩ました真犯人...これらの素材が揃えば、小説や映画の格好の舞台となる。事実、切り裂きジャックを扱った映画は数限りない。制作者や監督は映画を通してジャックの正体暴き、姿を消した理由を推理している。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 例えばボクのお勧め作品である『霧の中の戦慄』では、女医とロンドン警視庁が協力しながらジャックを追う姿をスリリングに描いている。またジョニー・デップが警部を演じた『フロム・ヘル』では大胆にも王室の主治医ウィリアム卿をジャックの正体に挙げ、背後に秘密結社の陰謀を絡めて壮大な謎解きを展開している。ボクはこの王室関係者が犯人という仮説を奇想天外に思えず、一理あるとさえ見ている。事実、当時のヴィクトリア王朝には内緒で街中の売春宿に出入りする側近もいたらしく、スキャンダルには事欠かなかったのである。何より王室側近ともなれば、警察の手が届かない聖域であったのだ。
 他に王室お抱えの医者が犯人だと推理するものにコナン・ドイルの小説「黒馬車の影」がある。後に映画化もされたのだが、ここではドイルが生んだ世界的名探偵シャーロック・ホームズが切り裂きジャックと対決する。犯人像はかなり具体的で、王室の家系問題に端を発した“サー”の称号を持つ医者の犯行となっている。考えてみれば、コナン・ドイルは切り裂きジャックが暗躍した同時代にロンドンに住み、犯行の詳細は新聞で読んでいる筈なので小説ながら真実味がある。

$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 映画では切り裂きジャックを現代に蘇られることが出来る。『蝋人形館の恐怖』では現代のロンドンで娼婦が立続けに殺害され、街中が“ジャックが再び現れた”の恐怖に騒然となる様を描いている。同様に『ジャック・ザ・リッパー/殺しのナイフ』では現代の殺人鬼がロサンゼルスに現れ、100年前と全く同じ手口で連続殺人事件を起こす物語である。これらの作品で登場する殺人鬼はジャックを崇拝し、その犯行を真似た模倣者の仕業だ。
 だが時として映画の世界は無節操になる。模倣者ならいざ知らず、今度はジャック本人を再生させる映画まで制作されたのだ。『タイム・アフター・タイム』ではジャックが突如消えた理由までを解明している。何と彼はタイムマシンに乗って、19世紀のロンドンから100年後のサンフランシスコへ逃走したと言う...。(絶句!)映画ならではの突飛な発想だが、ボクは感性が追いついて行けなくなった。(絶句!)

 結局、警察に捕まらず、忽然と姿を消した切り裂きジャックは現代人には必要以上に神格化されていると思う。最後の犯行後、彼は呵責からか自ら命を絶ったという説がある。だがボクはその意見に与しない。「これではもう捜索のしようがない。」と、警察側が捜査打ち切りの正当な理由付けを探っているように見えるからだ。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 改めて問う。現場に証拠を残さない神経の細やかさと警察を愚弄する賢明さを持ちながら、何故切り裂きジャックは犯行を止めてしまったのだろうか? ボクなりの見解を述べる前に、“切り裂きジャック”と“3億円強奪事件”の共通点を検証してみる。
 ご記憶のように3億円強奪事件は昭和43年に起こった。当時の3億円は今の物価指数で換算すれば10倍以上になるだろうから、これは史上最大の強奪事件と言える。しかし現金輸送車に近づいた白バイの男はいともあっさりと3億円を奪い、警察の網の目を潜り抜けて見事時効を迎えたのである。大衆の感情は不思議なもので、警察の失態を嘲る者がいる反面、強奪犯を英雄視する気配もあった。勿論、犯人は時効後も姿を見せず、人物像もはっきりしない...。
 処で現金を奪われた形となった銀行では損害保険に入っており、3億円は補填された。つまり損する側はいなかったのである。唯一警察機構だけが評判を落としたのだが、これとて実益を取っていたのだ。警察は公然と3億円事件の捜査目的と称して、しらみ潰しに強制家宅捜査が出来、その実、赤軍派など政府に対して叛乱の疑いがある人物や反政府組織のリーダー等を搾り出す大義名文に利用したのである。裏を返せば、叛乱分子の一掃には大きな事件が必要だったのだ。こうなると白バイの男は警察内部の者、或いは警察が側面援助していたのではないかと勘繰ってしまう。あれだけの事件を起こしながら捕まらないのは当然である。

 然るに“切り裂きジャック事件”が起こる直前にロンドンで何があったか? 前年の1887年11月に“血の日曜日事件”が発生している。当時のロンドンは産業革命の拠点として世界中の人々が集まってきた。西洋列強国の中でも図抜けた存在であり、アヘン戦争で清国を屈せしめ、インドも直轄統治。またスエズ運河も支配していた。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 しかし潤うのは貴族階級のみで、民衆の不満が極度に高まっていたのだ。そんな経済背景の中、社会主義者と失業者から成る数万人の群衆がロンドンのトラファルガー広場に集結し、政府に対してデモを行った。市の警察長官は武装した兵士と2千名の警察官に沈静化を命じたが、一旦勢いに乗った群衆は暴動化し、数百人の負傷者と2人の死亡者が発生した。それ故、この死傷事件は「血の日曜日事件」と名づけられたのである。
 イギリス政府は直ちに民衆の不満を別の対象へ向けさせる必要があったのだ。そこで考えられたのが“切り裂きジャック”ではないかと邪推する。民衆を制御するには恐怖感を植えつけるのが最善策だ。弱者である女性を容赦なく残虐に切り突ける殺人鬼が自分達の近くを徘徊している設定は最高の恐怖である! しかも新聞社はこれでもかと残酷な記事を書き連ねては不安を煽る。効果は絶大であった筈だ。
 切り裂きジャックが2ヶ月で姿を消した理由は、政府の叛乱分子(社会主義者や失業者)の排除が完了したと解釈出来る。支配階層がメディアを利用して大衆心理を操作した手法は、情報伝達能力が発達した今の世なら尚更効果が出る。メディアがいつまでも特定の事件を過剰に報じていたなら要注意である。きっと知られては困る事柄を隠蔽しようとしているからだ。
 とどのつまり、切り裂きジャックの実行犯はいた。しかし後世のミステリー・ファンが神格化するほどの万能の切り裂きジャックは存在しないと考える。


『フロム・ヘル』/ジョニー・デップ&ヘザー・グラハム、イアン・ホルム [アルティメット・エディションDVD]

 それではいつも通りに、『BS映画の放送カレンダー』が掲載する放映予定リストの中から、作品の優劣は問わずにあくまでボクの嗜好に沿った映画をピックアップしてみた。従って下記に羅列した作品集は所謂お勧め映画の紹介ではなく、個人的な確認メモという位置付けであることをお断りしておく。
 尚、何処のBSデジタル放送局で放映されているか判り易くする為、作品名の接頭部に各放送局の略語を表記した。解説文は下記の各ホームページからの抜粋である。
         ・(N)=『NHK-BS』
         ・(日)=『BS日テレ』           ・(A)=『BS朝日』
         ・(T)=『BS-TBS』           ・(J)=『BSジャパン』
         ・(E)=『BSイレブン』
         ・(S)=『BSスカパー!』
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 平々凡々に生きる人々なら到底経験しないであろう、波乱万丈の人生を歩んできた初老の男が息子に最後のアドバイスをする。彼は最近よく口にするワインを片手に「歳を取るとワインが美味くなる。」と飲み過ぎを自戒するように語る。父の健康を気遣う息子は「それは良いことだ。」と応えると、彼は仕事で培った用心深さと衰えない直感から「そうは思わない。」と遠くを見るように話を折る。
 この後、息子と大事な話を済ませた彼は庭で孫と戯れる。そして突然、心臓の鼓動が激しくなったのであろうか、彼は倒れてそのまま息を引き取る。こうしてドン・ヴィトー・コルレオーネの死はその険しい人生と違って至って安らかなものだった。ご察しのように『ゴッドファーザー』の一幕である。
 先日、久々にリカー・ショップの中に入り、きれいに陳列されている酒類を眺めていた。最近のボクは日本酒やスコッチ、ウォッカ類に凝っていて、銘柄を変えては味比べを楽しんでいる。だからワインなど見向きもしなかった。ワインは20年ほど前に当時の流行でよく飲んでいて、人並みに知識もあるつもりだ。眺めていて先ず驚いたのは通常のサイズでも400~500円くらいで買えるワインが増えたことだ。「その程度の価格なら、飲んでみて口に合わなくとも諦めがつくだろう。」と思い、スペイン産のワインを2~3本衝動買いした。
$アラフォー世代が楽しめる音楽と映画 よく赤ワインは常温(15~18度)が一番美味しく飲めると言われる。あまり冷やしてしまうとタンニンの渋みを強く感じてしまうからだ。しかしボクは冷やす方が好みだ。家に帰ると早速冷蔵庫の中に入れ、更に飲む30分前には冷凍庫に瓶ごと入れた。
 すっきりと冷えたスペイン産のワインを飲み干す。偶々かも知れないが、その日買ったワインは渋みも無く、華やかな香りと柔らかい口当たりであった。香りは温度が上がると様々な成分が揮発してより複雑に味を増すようだが、それと美味さは別問題である。銘柄や種類、或いは飲む季節によって厳密には違うのだろうが、必ずしも赤ワインは常温が適しているとは言い切れない。同様に白ワインも冷やした方がキリッとした酸味が味わえて、フレッシュさが強調される。そう言えば、映画ではよくワインクーラー室で保存しているではないか!
 たとえワンコインで買えるワインでも冷やし方次第でこうも美味しく飲め、改めてワインの冷やし方の大切さを教えてもらった。それにしても...如何に高級ワインに縁がないとは言え、ワンコインのワインで満足するとは随分と安上がりな味覚と胃袋である...。

 ・(N)『神様のくれた赤ん坊』        4月15日(月) 13:02~14:34

   小夜子と晋作が暮らすアパートに突然見知らぬ女性が小さな男の子を連れてやってきた。聞けば、昔晋
  作が付き合っていた明美という女性が子供を残して外国へ駆け落ちしたと言う。明美が残した手紙に記され
  た、子供の父親かも知れない5人の男のうちの一人である晋作は子供を押しつけられて困り果て、残り4人
  の男達を探すことに。同棲相手の小夜子も自分のルーツを探る旅に出て、一緒に男達の許を訪れる
  が...。

 ・(N)『裏 窓』                  4月15日(月) 21:00~22:54

   事故で足を骨折し、ニューヨークのアパートで車椅子生活を強いられるカメラマンのジェフは、退屈凌ぎに
  裏窓からアパートに住む人々の生活を観察していた。そんなある日、向かいに住むセールスマンの妻がい
  なくなったことに気付く。ジェフはいつも口論していた夫が彼女を殺したのではないかと推測、恋人のリザと
  看護師ステラの協力を得て調査を始めるが...。
   リザ役を演じたグレース・ケリーの美しさが際立つ一編。

 ・(S)『若草の萌えるころ』           4月16日(火) 10:00~11:31

   ジョアンナ・シムカスの儚く物憂げな魅力を永遠に焼きつけた珠玉の青春映画。
   監督ロベール・アンリコ、音楽フランソワ・ド・ルーベのコンビが、スペイン市民戦争の記憶を挿みながら、
  少女の成長を幻想的に描く。
   アニーの大好きなジタ叔母さんが、突然病に倒れた。愛する者が死にゆく現実と自分の無力感に耐えら
  れず、彼女は夜の街に彷徨い出る。猫を狩るスペイン人、スロットカー・レース、羊との追い駈けっこ、コント
  ラバス弾きの青年...。驚きと刺激に溢れた一夜の出来事を通して、アニーは自分なりに大切な人の死を
  受け止めていく。

 ・(N)『エル・ドラド』               4月16日(火) 13:00~15:08

   場主ジェイソンに雇われ、エル・ドラドにやって来た早撃ちの老ガンマン、コール。保安官となった旧友ハラ
  ーからジェイソンがマクドナルド一家の土地を不当に奪おうとしていることを聞いた彼は仕事から手を引き、
  エル・ドラドを去る。半年後、ジェイソンが新たに凄腕ガンマンを雇ったこと、そしてハラーが失恋の痛手で酒
  浸りとなっていることを知った彼は再びエル・ドラドに戻り、ジェイソン一家との対決に突入する。

 ・(N)『マーニー』                4月17日(水) 13:00~15:11

   求人広告に応募してきた若く美しい女性マーニーは、実は金庫破りの常習犯。そうと知りながら彼女を自
  分の会社に雇い入れたマークは、謎めいた彼女への興味がやがて愛に変わり、結婚を申し込む。傍で苦し
  む彼女を大きな愛情で包み込むマークは、やがて彼女が盗みを働くようになった要因を突き止める。
   『 鳥 』のヒロイン役で注目されたティッピ・ヘドレンが、忌まわしい過去に囚われた女性の異常心理を見
  事に表現。

 ・(N)『赤い影法師』              4月18日(木) 13:00~14:32

   関ヶ原の合戦で徳川に敗れた石田光成の娘を母に持つ影は三代将軍徳川家光の命を狙っていたが、自
  らの出生の秘密を知らずにいた。だが光成が軍資金の隠し場所を記したという剣を巡り、服部半蔵らと激し
  い攻防戦を繰り広げるうち、真実を知ることとなり、やがて敵同士として再会した実の父との対決の日を迎
  える。

 ・(N)『ラルジャン』               4月19日(金) 13:00~14:26

   小遣い不足で借金に困った高校生ノルベールは相談した友人に唆され、カメラ屋で偽札を使った。偽札を
  掴まされた店の主人夫婦は、これを集金に来たガソリン配達人のイボンに黙って支払う。何も知らずに受け
  取ったイボンは食堂でその偽札を使ったことで逮捕され、職を失い、やがて犯罪に手を染めていく。
   A・タルコフスキーの『ノスタルジア』と共に83年のカンヌ映画祭で創造大賞を受賞した。

 ・(J)『若草物語』                4月19日(金) 20:00~21:42

   ジューン・アリソン、マーガレット・オブライエン、エリザベス・テイラー、ジャネット・リーが演じる四人姉妹
  の美しい愛の物語。
   アメリカ東北部の町コンコード。マーチ家にはメグ、ジョー、エイミー、ベスの四姉妹がいる。父は南北戦
  争に出征中で貧しいながらも、優しい母と平和に暮らしていた。マーチ家の隣は大金持ちのローレンス家が
  住み、恐そうなお爺さんが独りで暮らしていた。姉妹達は交流を持たなかったが、姉妹で一番快活な次女ジ
  ョーがローレンスの孫ローリーと親しくなったことから、マーチ家とローレンス家の親交が深まるが...。

 ・(J)『若い東京の屋根の下』        4月20日(土) 19:04~20:45

   吉永小百合、浜田光夫、山内 賢らが1960年代の東京を舞台に贈る青春純愛物語!
   19歳のOL桑野蕗子は両親と弟の4人暮らし。目下、蕗子の悩みは父親の定年後の両親の生活費。そ
  のことで兄や姉達の家を訪ねる中、兄・次郎から「後輩の大学生を桑野家に下宿させてくれ。」と頼まれる。
  その後すぐに三上という大学生が桑野家にやって来た。三上とそりの合わない蕗子は三上と顔を合わせる
  度に「早く出て行って!」とばかり口喧嘩が絶えない。そんな中、蕗子の高校の同級生・幸吉と三上との間
  で、蕗子の争奪戦が起こり...。

 ・(日)『必殺仕掛人 梅安蟻地獄』    4月21日(日) 20:00~21:39

   闇に蠢く悪人を、地獄に送る仕掛人・藤枝梅安の技が冴えるシリーズ!
   馴染みの料理屋・井筒を出て来た梅安を謎の男が襲った。間一髪その刃を避けると、男は江戸の町の闇
  の中に消えていった。数日後、音羽屋半衛門の依頼を請けて仕掛けの的、伊豆屋長兵衛を探る梅安の前
  に、あの男が現れ...。


『密 告』/ピエール・フレネイ&ジネット・ルクール、ミシュリーヌ・フランセイ [DVD]