ケータイが奪っていったもの | 更年期をヒラリとかわす!女のプチ鬱ヒーリング日記「笑いながらタメ息」

ケータイが奪っていったもの

携帯


私には高校生の息子がいるんだが、困ったことに彼の交友関係がほとんどわからない。クラスで仲のいい子の名前くらいは知っているけど、顔もわからないし、声も聞いたことがない。

そう、それもこれもすべてはケータイのせいでございます。
今の子は、連絡といえばケータイ。家電にかけてくる子なんていやしない。

私たちがその年令の頃は、当然連絡するなら家の電話。しかも当時は電話というモノはたいていリビングとかにあって、家族の見せ物状態で話さきゃならないことも多かった。イヤだったなー、あれ。

こっちがかける場合は、かけたら最初に出るのは向こうの親ということも当然多くて、小さい頃ならともかく、“彼”なぞが出来た際、彼の家に電話をかけるのは超緊張したもんです。いきなり本人が出たら大ラッキー!という、まさに坊主めくり状態。
その点では今の子たちの状況は、正直ひたすら羨ましいですが。

子供にしたら、いちいち相手の親に愛想のひとつも言わないですむのは、そりゃラクでしょう。でも逆に親の立場からすると、誰と付き合っているのか知る手段を断ち切られたってことで。不安というより、まずは単純に、友達がどんな子か知りたくてしょうがない。
でもわからない。
うずうずうずうず。

ここでいきなり話は「敬語」問題に飛ぶ。

実は私は、いま敬語がちゃんとできない子が多い原因のひとつがケータイなんではないかと思っているんですよ。

だって友達の家に電話して親がでたら、まずは敬語とか丁寧語でしゃべってみようと思うじゃない? 電話って、いちばん身近な「敬語強制機器」だと思うの。それが子供の頃から一切ないんだもの。学校でもろくに敬語は使わないし(学校にもよるが)、ちゃんと使えるようになるわけがない。

親がちゃんと教えておけってことかな? それとも親がちゃんとしてれば、それを見て自然と覚える?

と、すっかりご意見番おばさんモードの私。

敬語って社会人になってから学んでも、なんとかはなるらしい。でも元々身に付いていて、滑らかに自然に使えた方がキレイな感じがするじゃない? 人としても女としても。

私の友達で、どんなに親しくなってもごく普通に丁寧語で話す人がいる。まさに身に付いている、というやつ。あれはやっぱり素敵だなと思う。

いつの間にか、ごく自然に「ヤバくね?」とか言っちゃったりしている己を反省しつつ…。