今回は
「~猫背・姿勢不良からくる肩こり~」
肩こりの原因は人それぞれです。「肩こりはココ!」と決めつけず、自分の肩こりの原因を把握して対処することが大切です。「肩が重い」「首が張る」といっても、その背景はさまざま。
今回は、猫背や姿勢の乱れが原因で起こる肩こりについてお話しします。🐬 姿勢と肩こりの関係
デスクワークやスマホの使用で背中が丸まり、頭が前に出る姿勢(猫背)が続くと、首や肩の筋肉は常に頭の重みを支えようとして緊張します。頭は約5〜6kgあり、少し前に出るだけで首や肩への負担は倍以上に増えるといわれます。
その結果、僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲挙筋(けんこうきょきん)が過剰に使われ、筋肉がこわばり、血流が悪くなり、肩こりや頭痛の原因になります。
東洋医学では、姿勢の崩れによる肩こりを「気血の滞り(けつお)」と捉えます。背中が丸まると、肺(呼吸)や心(循環)の働きが弱まり、上半身のエネルギーが滞ることで、肩や背中の張り・浅い呼吸・倦怠感を起こします。また、猫背によって胸郭(きょうかく)が狭くなると、「陽」が上に偏り、のぼせ・頭重感・眼精疲労なども出やすくなります。
西洋医学的視点で考えてみると、猫背は背骨の自然なS字カーブを崩し、頭が前に出て首のカーブ(頸椎前弯)が減少します。
これにより、
・首まわりの筋肉(僧帽筋・胸鎖乳突筋)が持続的に緊張する。
・胸の筋肉(大胸筋)が短縮し、肩が内巻きになる。
・背中の筋肉(菱形筋)が伸ばされ、姿勢を支えにくくなる。
というバランスの乱れが生じ、慢性的な肩こりや背中のこわばりを悪化させることになります。
🧸こんな原因からくる肩こり解消におすすめのツボ
指で軽く押したり、せんねん灸を置くのも効果的です。お灸は熱いと感じたらすぐ外し、眠ってしまわないよう注意しましょう。
「 肩井(けんせい)」

首の付け根と肩先の中間点。
肩こりの代表ツボ。血流を促し、首・肩の緊張をほぐします。
「天柱(てんちゅう)」

天柱は、後頭部の生え際(後頭骨の下縁)にあり、
第2頸椎(C2)の棘突起の外側から、
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と僧帽筋(そうぼうきん)の間のくぼみに位置します。
首のこりや頭の重さ、目の疲れに効果的です。
「 膏肓(こうこう)」

膏肓は、第4胸椎(T4)の棘突起の下縁(第4・第5胸椎間)から、外方約3寸(指4本半〜5本分)に位置します。
「疲れが取れない」「背中が重い」時に効果的で、猫背の改善にもよいとされています。
猫背・姿勢不良による肩こりは、筋肉のアンバランス・血流の滞り・気の流れの乱れが重なって起こります。肩井・天柱・膏肓のツボを日常ケアに取り入れ、背筋を伸ばして深呼吸する時間を作ることで、姿勢も気持ちもすっきりしていきます。
※何をしても楽にならず、日を追うごとに悪化する場合は、適切な医療機関でしっかり検査を受けましょう。
🌍 阿佐ヶ谷 / 阿佐谷北
🚃 阿佐ヶ谷駅から徒歩5分
🏠 for-ple鍼灸院