【資料】 おぼつかない自由の足取り(要旨) 英エコノミスト誌 | For Our Future since 11 March 2011

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In 11 March 2011, the day was turning point for not only Japanese but people on the earth. This blog will contribute for local amenities in our common future.

おぼつかない自由の足取り(要旨)

エドワード・ルーカス
Mr Edward Lucas

Energy, Commodities and Natural Resources editor, The Economist
Specialist Subjects: Energy


英『エコノミスト』編集部「2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する」第9章(文藝春秋、2012)から

民主主義は先進国において縮小し、新興国において亢進するだろう。

ツイッターなどウェブ世界の進展は、民主化に一定の役割をはたすが、民主化された後の影響は限定的だ。

●民主主義の二つのアキレス腱:「金」「操作に対する脆弱性」

●権力者の情報操作は、民主化されたウェブを上回る

●ブロガーの影響力は限定的だ

●法の力はどこまで有効か

●公共心civil societyと経済第一主義の闘い

●怯えるのか、それとも悦に入るのか?(パニックの危機と自己満足の危機)




第9章のまとめ

●民主主義国は、先進国において後退し、新興国において前進するだろう。独裁国では民主主義が前進し、自由主義国では民主主義が後退する。

●中国は、一党独裁国家ならではの脆弱性に直面しなければならないだろう。インドは、複数政党制ならではの欠点と挫折に苦しめられるだろう。

●一党独裁の政治体制のもとでは、民主主義という言葉は、人々がウェブなどを使って反政府活動をする共通のキャッチフレーズになりうる。

●逆にある程度の民主主義が保証されている国では、複数政党制のなか、ロビイストの暗躍や、圧力団体と官僚、政治家との癒着腐敗、政府の巧妙なマスコミ操作など民主主義ゆえの欠点が見えやすくまっている。

●前者を中国、後者をインドに当てはめてみればわかりやすい。中国では民主主義が前進し、逆にインドでは、複数政党制ゆえの混乱で民主主義は苦しむことになる。

●民主主義のアキレス腱は二つある。ひとつは金で、ひとつは選挙に対するさまざまな形のバイアスのかかり方である。

●第一のアキレス腱は、企業や企業の圧力団体が、政治家に献金をし、規制当局に圧力をかけるということだ。

●第二のアキレス腱は、民意がマスコミ等を通じて操作されやすいこと。ウェブの力はそうは言っても限定的で、マスコミはさまざまな形で情報操作を受けている。

●こうした民主主義の脆弱性を補う一手段として、法の支配の貫徹がある。

●さらに他人のことを思いやる「公共心」が、この民主主義の欠点を補う。

●しかし、2050年までに、すべてを効率と個人の利益に換算して考える「経済第一主義」とこの「公共心」が大きな対立事項になり、民主主義を揺るがしていくことになる。




少子化対策公的支出の国際比較

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