「毎日新聞」2012年1月12日 11時45分 更新:1月12日 12時45分
http://mainichi.jp/select/today/news/20120112k0000e040149000c.html?inb=fa
原発事故発生時の被ばく対策見直しを検討している内閣府原子力安全委員会の分科会は12日、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を、原発から半径30キロ圏内の各家庭に事前配布することが有効とする提言案を示した。現状は多くの地元自治体が保健所などに備蓄し、事故後に住民へ配布する仕組みだが、東京電力福島第1原発事故では機能しなかった反省を踏まえた。安全委は、今後予定している原発事故対応の防災指針改定に盛り込む方針。
福島第1原発事故では、ヨウ素剤服用の可否を判断する際参考となる緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)が、本来の機能を果たさなかったことなどから服用指示が遅れ、ほとんど活用されなかった。
提言案は、被ばく予防のためのヨウ素剤服用を迅速に実施するため、予防防護措置区域(原発5キロ圏、PAZ)及び緊急防護措置区域(同30キロ圏、UPZ)=安全委で導入を検討中=への各戸事前配布について「有効」または「有効だろう」とした。放射性ヨウ素防護地域(同50キロ圏、PPA)=同=については「各戸事前配布や屋内退避期間中配布を検討するべきだ」とした。さらに、服用指示の実施手続きや判断基準、国の責任を明確化することを求めた。
ヨウ素剤は薬事法で「劇薬」に指定されており、慎重な取り扱いが必要。提言案では薬事法や処方にかかわる医師法など関係法令の改正も検討すべきだとしている。【永山悦子】
★安定ヨウ素剤 原発事故などで放出される放射性ヨウ素による内部被ばくを防ぐ医薬品。放射性ヨウ素が体内に入ると、甲状腺に蓄積して放射線を出し、甲状腺がんを引き起こすこともある。安定ヨウ素剤を服用してあらかじめ甲状腺内を満たすことで放射性ヨウ素が排出されやすい状態になる。放射性ヨウ素を取り込む前24時間以内、または取り込んだ直後に飲めば9割以上の抑制効果があるが、服用が遅れるほど効果は落ちる。原子力安全委員会の現行指針では服用対象者は40歳未満。

放射線量:対策に不安 千葉県柏の人口 震災直後下回る
毎日新聞 2012年1月11日 15時23分
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120111k0000e040173000c.html
東京電力福島第1原発事故の影響で、周辺より放射線量が比較的高い千葉県柏市の人口(1日現在)が、東日本大震災直後の水準まで減少したことが市のまとめで分かった。秋山浩保市長は「『線量は問題のないレベル』と評価して対応した事故直後の放射線対策が子育て世代の不安を招き、市外からの流入を止めてしまった」と分析し、除染など積極的な対策を打ち出している。
柏市によると、月別の人口は昨年8月1日をピークに減少傾向に転じ、今月1日現在で前月比279人減の40万5099人となり、震災直後の昨年4月1日時点の40万5166人を下回った。市外への転出者が転入者を上回る「社会減」は6カ月連続となる。
柏市周辺では、松戸市が昨年12月1日現在で、3年前と同水準まで減少。最近6年間で3300人増えていた我孫子市も、事故直後(昨年4月1日)のピーク時から705人減っている。【早川健人】

東北6県の倒産数、バブル期並み低水準 支援や復興需要
「朝日新聞」2012年1月11日23時49分
http://www.asahi.com/business/update/0111/TKY201201110684.html?ref=rss
2011年の東北6県の企業倒産(負債総額1千万円以上)の件数は452件で、バブル経済末期の1990年と同じ21年ぶりの少ない水準となった。東京商工リサーチ東北支社が11日発表した。震災の被災企業への資金繰り支援や復旧・復興需要の効果とみられるという。
前年の605件よりは153件(25%)減った。6県の企業数の3割を占める建設業の倒産が132件と前年より71件も減り、全体の倒産件数を押し下げた。
県別では、倒産が最も多かったのは、東京電力の福島第一原発事故の影響が大きい福島県の99件。ただ、前年よりは20件(17%)減った。次に多い宮城県は92件で、71件(44%)減った。他の4県も、すべて減った。

「屋根を高圧洗浄」除染効果低い 事故から時間経過で
「朝日新聞」2012年1月12日4時1分
http://www.asahi.com/national/update/0112/TKY201201110795.html?ref=rss
東京電力福島第一原発の事故で汚染された家の屋根を高圧水で洗う「高圧洗浄」について、専門家や住宅メーカーが注意を呼びかけている。事故から時間がたち、いくら高圧で洗っても放射線量が落ちなくなっている。水圧を強めると屋根を傷つける恐れもある。高圧洗浄を除染メニューから外す市町村も出てきた。
東北・関東地方の8県の102市町村で進む除染の環境省ガイドラインでも、高圧洗浄は効果的な方法として挙げられている。
福島県は昨年8月、福島市大波地区で民家の屋根を高圧洗浄した。しかし、表面から1センチのところでの放射線量は半減にも及ばなかった。除染前に毎時2.4マイクロシーベルトだったコンクリート屋根は高圧洗浄後でも1.6マイクロシーベルトだった。さらに、2.4マイクロシーベルトだったスレート屋根は2マイクロシーベルトに、1.2マイクロシーベルトだった瓦屋根は1.1マイクロシーベルトにとどまった。

被災地の医療費全額免除、3月から縮小へ 厚労省
「朝日新聞」2012年1月12日7時29分
http://www.asahi.com/national/update/0112/TKY201201110759.html?ref=rss
東日本大震災の被災者を対象に続けている医療費の自己負担分の全額免除について、厚生労働省は、対象範囲を3月から縮小することを決めた。東京電力福島第一原発の事故による警戒区域などからの避難者を除き、サラリーマンとその家族は3月から、原則3割の自己負担に戻る。
現在、被災者のうち、住宅が全半壊したり家計を支えていた人が死亡・行方不明になったりした人や、原発事故で避難させられた人が医療機関で診療を受けた場合、窓口で払う自己負担分は全額免除となっている。ただ、2月末までの予定で、3月以降の対応が焦点となっていた。
厚労省は、避難生活の負担の重さを考え、福島県の警戒区域や計画的避難区域、特定避難勧奨地点から避難している人については、来年2月末まで全額免除を継続することにした。

家庭の食事、汚染度調査へ=18都県の放射性セシウムなど-生協連
「時事通信」2012/01/11-20:15
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012011100935&m=rss
日本生活協同組合連合会は11日、東北と関東を中心とする18都県の約250世帯を対象に、日常の食事に含まれる放射性物質の測定を始めたと発表した。結果は4月に公表する。組合員らから寄せられた「実際の食事でどれだけ放射性物質を取っているか分からず、不安だ」との声に応えるためとしている。
調査するのは、福島をはじめ岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡、愛知、岐阜、三重、福岡の各都県に住む生協組合員らの家庭。通常の食事を1人分多く作ってもらい、2日間6食分を各地域の検査センターまで冷凍宅配してもらった上でゲルマニウム半導体検出器で測定する。

フランス書籍展に大江氏ら参加 3月、震災1年で討論会も
2012/01/12 08:21 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012011201000742.html
【パリ共同】フランス最大の書籍展サロン・ド・リーブルの主催者は11日、日本を招待国として3月16~19日にパリで開かれる同書籍展にノーベル文学賞作家の大江健三郎氏を含む日本人の作家や詩人ら計22人を招待したと発表した。大江氏らは関連イベントに参加するとしている。
東日本大震災から約1年の時期に当たるため、震災や東京電力福島第1原発事故などをテーマに講演会や討論会などが相次ぎ開かれる見通し。
主催者によると、小説家の参加者は、ほかに江國香織、平野啓一郎、堀江敏幸、角田光代、島田雅彦、多和田葉子、辻仁成、綿矢りさの各氏ら。

津波減災へ寺社の知恵 到達限界ラインに建築集中
2012年1月11日 福島民友ニュース
http://www.minyu-net.com/news/news/0111/news7.html
いわき市四倉町の津波到達限界ライン
東日本大震災の津波が到達した海抜が最も高い地点をつないだ「津波到達限界ライン」に沿って神社仏閣が多く点在していることが10日、いわき市の県職員吉田成志さん(58)のまとめで分かった。それによると、同市の四倉町や平豊間地区などをはじめ、海や河川に近い寺社の多くが、近年建てられた公共施設と比べ、津波を避けるように高台に建てられた地域が目立った。津波を受けた地域でも、盛り土など寺社の建築構造が被害を軽減した事例が見られ、吉田さんは「『減災の知恵』が寺社の建築に息づいているのでは」と話している。
調査は、日本地理学会が大震災の被災状況をまとめ、公開している「津波被災マップ」を基礎データに本県と青森、岩手、宮城、茨城各県の主に港湾周辺の計26地域(県内はいわき市内8地域、1地域は南北約2.7キロ、東西約4.2キロ)について、寺社の位置を確認。位置は、各県神社庁のデータや地図で確認した。
日本地理学会 津波被災マップ
http://map311.ecom-plat.jp/map/map/?mid=40&cid=3&gid=0

震災募金箱上に100万円入り封筒/三沢
「デーリー東北」2012/01/11 19:50
http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/news/2012/01/11/new1201111902.htm
三沢市は11日、市役所の正面玄関ホールに設置している東日本大震災の募金箱の上に、100万円入りの茶封筒が置かれているのを10日夕に見つけたと発表した。差出人の名前はなく、「日赤様」とだけ書かれていた。市は三沢署と相談の上、日赤青森県支部に全額送ることを決めた。
市生活安全課によると、10日午後4時50分ごろ、女子職員がB5判の封筒を発見。鉛筆で「日赤様」と宛先が書かれ、上部には「東日本大震災復興支援 がんばろう日本!」と印刷された、雑誌を切り抜いたような紙が貼ってあった。封筒の中にのし袋があり、帯封された1万円札100枚が入っていた。
市は発見時間が閉庁間際だったため、いったん金庫に保管し、11日朝に同署に相談。「義援金と判断するのが妥当」との同署の見解を踏まえ、12日以降に日赤へ送金することとした。
募金箱は震災発生翌日の昨年3月12日、日赤県支部三沢市地区が設置。今年1月11日現在で約760万円の善意が寄せられている。これまで10万円単位での寄付はあったが、100万円単位の寄付は初めて。
同課の鈴木唯一課長は「たくさんの方に寄付を頂いているが、これほど大きい金額は初めてで驚いた。あらためて人の温かさを感じる」と話している。(内沢浩)

第2原発の復旧計画指示 保安院「運転再開と別」
「共同通信」2012/01/11 19:08
http://www.47news.jp/47topics/e/224446.php
経済産業省原子力安全・保安院は11日、昨年12月に「原子力緊急事態宣言」が解除された福島第2原発について、東京電力に、東日本大震災で破損した機器などの復旧計画を策定して月内をめどに報告するよう指示した。運転再開ではなく、安定した冷却状態を保つためとしている。
保安院によると、同原発は安定した冷温停止の状態にあるが、津波被害を受けた非常用発電機や使用済み燃料プールの複数ある冷却設備の一部が使えない状態。建屋の扉にも津波で破損した後、鉄板などで応急措置をしただけのものがある。計画にはこうした機器や設備の補修などが盛り込まれる見通し。
保安院原子力防災課の松岡建志(まつおか・けんじ)課長は記者会見で「冷温停止の状態をより着実にし、安全が確保されることを期待している」と指摘。その上で「再稼働できるレベルにまで復旧を求めるものではない」と強調した。福島県や地元自治体にも、運転再開に向けた動きではないことを説明したという。

ゆるキャラ「ゆめちゃん」誕生 陸前高田と共に
「河北新報」2012年01月12日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t35004.htm
陸前高田市のマスコット「ゆめちゃん」
岩手県陸前高田市に、市の新たなシンボルとなるマスコットキャラクター「ゆめちゃん」が誕生した。全国公募で、川崎市の大学生北島茉也さん(21)の作品が採用された。市は「復興まで市民と共に歩み、陸前高田を全国にアピールする親善大使として活躍してほしい」と期待している。
ゆめちゃんは、市章をモチーフにしたかわいらしいデザイン。耳は松をイメージし、肩から掛けたバッグには夢や幸せが詰まっているという。北島さんは「子どもたちと明るい未来をつくってほしい」と話している。
応募があった334作品から1次選考で13作品に絞り、市内の小中学生1176人の投票で決まった。市は今後、着ぐるみを用意し、市のPR活動などに活用する。

県内不明者なお1368人 東日本大震災11日で10カ月
「岩手日報」2012/01/12
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120112_2
県総合防災室の11日午後5時現在のまとめでは県内の死者は4667人、行方不明者は1368人に上り、捜索活動が続く。自宅が被災して仮設住宅などで暮らす人は4万3175人(昨年12月16日現在)。被災12市町村では復興計画が出そろい、今後は高台移転や浸水域の地盤かさ上げなどまちの再建に乗りだす。
復興計画は昨年12月、釜石、陸前高田、山田、大槌の4市町が策定し、全て出そろった。事務手続きの簡略化や税の減免などでまちづくり事業を促すため、県は今月末にも▽産業再生▽再生可能エネルギー利用促進▽保健・医療・福祉▽復興まちづくり-の4特区の創設を国に申請する方針だ。
災害義援金第2次配分は昨年12月16日現在、3万703件、総額約272億円で支給率(金額換算)は87%。災害弔慰金は同15日現在、4860件、総額約146億円で支給率(件数換算)は77%。今月から失業手当の給付切れ期に差し掛かり、雇用対策も急務だ。

東日本大震災から10カ月 復興願うキャンドル行事
「共同通信」2012/1/12 09:57
http://www.47news.jp/photo/346936.php

宮城県岩沼市の阿武隈川河川敷で、震災からの復興を願うキャンドルイベントが開催された。ろうそくの温かな灯がともされると、会場は幻想的な雰囲気に包まれた。子どもと訪れた女性は「復興に向けて元気をもらった」と話していた=11日夜

「えんずのわり」守った 男児3人熱意、大人動く 東松島
「河北新報」2012年01月12日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t15023.htm
協力して作り上げたみそ汁を味見する子どもたち=11日夜、東松島市宮戸の月浜地区
宮城県東松島市宮戸の月浜地区で11日、地元の子どもたちが岩屋で共同生活する小正月行事「えんずのわり」が始まった。200年以上続く国の重要無形民俗文化財だが、東日本大震災で地区は大きな被害を受けた。一時は開催が危ぶまれたが、ことしも伝統の灯がともった。
参加したのは大将を務める宮戸小5年鈴木海斗君(11)と、弟の3年颯斗君(9)、4年小野瑠晟(りゅうせい)君(10)の3人。仮設住宅から津波をかぶった岩屋に駆け付けた。「野菜切れや」「味見しろや」と声を掛け合い、ジャガイモやニンジンなどが入ったみそ汁とご飯を作った。
鈴木君は「協力してうまくできた。震災で大変だったけど、行事はやめたくなかった。やって良かった」と語った。
行事は例年通り6日間の日程。岩屋に調理器具を持ち込み、3人が寝食を共にする。寝泊まりは仮設住宅の集会所でする。昨年までは岩屋近くの神社を使っていたが、震災で集落に人がいなくなったため安全面に配慮した。
メーンとなる14日夜の鳥追いには高校生4人も加わる。独特の節回しの歌を披露し、地区内の仮設住宅などを回る。
174人が暮らしていた月浜地区は津波で大半の住宅が流され、多くの住民が仮設住宅で生活する。各家で保管するえんずのわりに使う鍋や釜が流失。さらに小学1年の男子2人が地区外に引っ越したため、対象年齢(小中学生)の子どもが3人だけとなり、存続が危ぶまれた。
だが、鈴木君らが「やりたい」と強く望み、えんずのわり保存会の小野勝見会長(62)らが文化庁の支援を受けて道具や設備をそろえ、開催にこぎ着けた。
小野会長は「地域にとって、あるのが当たり前の行事。1回やめると、復活するのは難しいので、続けられてほっとした」と話した。

名取の塩害農地で水耕栽培 仙台の被災農家
「河北新報」2012年01月12日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t12026.htm
東日本大震災で被災した仙台市内の農家が東京の企業と連携して農業法人を設立し、津波をかぶった宮城県名取市の塩害農地に通年型水耕栽培による植物工場を建設することになり11日、現地で地鎮祭があった。3月に完成し、6月上旬にも出荷を始める。
植物工場「なとりフードファクトリー(仮称)」を建設・運営するのは、仙台市宮城野区岡田の農業瀬戸誠一さん(62)ら3農家と環境コンサルティング会社リサイクルワン(東京)などでつくる農業法人さんいちファーム(名取市)。瀬戸さんが社長になった。
名取市植松豊田の津波をかぶった水田約1万2000平方メートルを借りて、水耕栽培のハウス3棟を建設する。栽培面積は合計6000平方メートル。
水耕栽培の架台には被災地のがれきから出たプラスチックや家庭から排出された容器包装などのリサイクル材を活用。野菜の根の部分だけを温度管理する方式を採用して燃料費を削減、初期投資や運営コストを抑える。
栽培されるのはレタスやサンチュ、イタリアンパセリ、ベビーリーフ、ルッコラなど。震災復興支援を進める大手外食チェーンや都内のレストランから注文を受けて産地直送する。
総事業費は3億5200万円。うち7割を国や県からの震災対策交付金で賄う。初年度は年商8000万円、翌年度からは1億2000万円を目指す。
津波で自宅や農機具を流され水田や畑約1万5000平方メートルが浸水した瀬戸社長は「農地の除塩を待って1~2年休んでいたら農業をやる気がなくなる。付加価値の高い水耕栽培を足掛かりにとにかく一歩前へ進みたい」と話している。

家族の元へ 震災から10ヵ月 気仙沼で重点捜索
「河北新報」2012年01月12日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t13019.htm
東日本大震災の発生から10カ月となった11日、宮城県警は気仙沼市波路上の沿岸部で行方不明者の重点捜索を実施した。
特別捜索隊と気仙沼署の署員約20人が午前9時半、現場で犠牲者に黙とうをささげた後、捜索を開始。波路上地区の海岸線を数キロ歩き、岩場や消波ブロックの隙間などを念入りに調べた。この日は行方不明者は見つからなかった。
特捜隊の岩崎清小隊長は「行方不明者の家族は震災の日から時間が止まっている。一日でも早くご遺体を発見し、家族の元に送り届けたい」と話した。
県警によると、現場付近では約20人が行方不明になっている。12日は同県山元町の常磐山元自動車学校周辺で捜索を行い、今後も重点日を中心に3月中旬まで沿岸部で活動を展開する。

条件整えば8月にもがれき受け入れ 秋田市長、見通し示す
「秋田魁新報」2012/01/12 09:24
http://www.sakigake.jp/p/akita/politics.jsp?kc=20120112d
秋田市の穂積志市長は11日の定例会見で、東日本大震災で被災した岩手県沿岸北部4市町村のがれき受け入れに関し、市総合環境センター(河辺)の周辺住民を対象とした説明会を2度開催する考えを明らかにし、条件が整った場合と前置きした上で「本格的ながれきの受け入れは8月以降になる」との見通しを示した。
同市は、県と岩手県が今月中の締結を目指しているがれき広域処理の基本協定に「(溶融処理後の)スラグ、メタルから、国の基準(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された場合、搬出元の市町村に送り返す」との条件が盛り込まれることを受け入れを判断する前提条件としている。穂積市長は「条件がクリアされた時点で、住民説明会を開きたい」と述べた。
同センターの周辺住民を対象とした説明会で住民の理解を得ることを条件に4月以降、4市町村のがれきを試験的に受け入れ、同センターの溶融炉で燃焼実験を行う考え。

避難者支援へ戸別訪問 生活相談員24人配置 山形県社協
「河北新報」2012年01月12日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t51005.htm
東日本大震災と福島第1原発事故による県外からの避難者を最も多く受け入れている山形県の県社会福祉協議会は近く、新たに「生活支援相談員」を配置する。避難世帯を訪問して相談に乗ったり情報提供をしたりするのが主な業務で、各地域の状況に合わせて柔軟な支援方法も模索している。
相談員は県全体で24人を配置する予定。避難者の多い山形市、米沢市を中心に各市町村の社協が1月から2013年3月末までの契約で臨時職員を雇用し、2人一組で避難世帯を戸別訪問する。
訪問対象は県内に避難している約5000世帯のうち、昨年10月に県が実施したアンケートで訪問を希望した約1000世帯。母子世帯が多く、避難生活の中で生まれがちな避難者の孤独感や悩みの解消を目指す。県社協は「1000世帯をきっかけに、口コミなどで支援できる範囲を広げていきたい」という。
福島県に近く避難者が多い米沢市社協は昨年12月、避難者2人を含む6人の採用を決定。研修を経て1月中の業務開始を予定している。
一方で、戸別訪問以外の活動を相談員に求めるケースもある。県内で最も避難者数が多い山形市では、民生委員が避難世帯の戸別訪問を既に実施し、町内会などの地域コミュニティーでも避難者との交流を図っている。
地元からは「戸別訪問よりも、支援活動を統括する人が必要」との声があり、県社協と市社協が協議を重ねている。
県社協は「自治体によって、支援の現状もニーズもまちまち。当初の枠組みにとらわれず、避難者にとって本当に必要な支援ができるようにしたい」と話している。

景気DIが全国2位 復興需要で建設業がけん引
2012年1月12日 福島民友ニュース
http://www.minyu-net.com/news/news/0112/news10.html
帝国データバンク福島支店が11日発表した昨年12月の県内の景気動向調査によると、全産業の景気DIは42.4(前月比2.4ポイント上昇)と、全国平均35.7を6.7ポイント上回り、全国順位は過去最高の2位となった。一方、改善した業種の中にも原発事故の影響などで販売不振を訴える企業があるなど格差がみられ、同支店は「先行き不透明感は払拭(ふっしょく)されていない」としている。
景気DIを業界別にみると、「建設」が東日本大震災の復旧復興需要や除染事業の追い風を受けて過去最高の62.1(前月比1.8ポイント上昇)となり、全産業の景気DIを引っ張った。
また、「卸売」も建材関連が好調に推移し40.7と同3.9ポイント上昇した。

福大の「未来支援センター」に特任教員6人採用へ
2012年1月12日 福島民友ニュース
http://www.minyu-net.com/news/news/0112/news11.html
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を検証し、県内自治体などの復旧・復興を支援する福島大の「うつくしまふくしま未来支援センター」は、今年3月までに常勤の特任教員6人を採用、センターの機能強化を図る。特に被害が大きい浜通りには、2カ所に同センターのサテライトを設置し、現地の現状を迅速に把握、円滑に支援できる体制を整える。来年3月までには、活動の拠点施設となるセンター棟を同大構内に建設する方針。
同大が11日の定例記者会見で発表した。同センターの体制強化に関する事業は、国の本年度第3次補正予算に盛り込まれた文部科学省の「大学等における地域復興のためのセンター的機能整備事業」に採択された。センター棟の建設費のほか、1億5394万円が補助された。

中間貯蔵施設の実務者協議に双葉町が不参加意向
2012年1月12日 福島民友ニュース
http://www.minyu-net.com/news/news/0112/news8.html
県は11日、双葉郡8町村と中間貯蔵施設の双葉郡設置を検討する実務者協議を12日に実施すると発表した。しかし、中間貯蔵施設の受け入れを拒否する双葉町が協議に参加しない意向を伝えたことから、県は同施設受け入れの可否の判断や意見集約になり得ないとして、協議の進め方などへの意向確認にとどめる方針で、検討は協議前から早くも暗礁に乗り上げた形となった。
中間貯蔵施設の双葉郡への受け入れを検討する県と8町村の協議は、佐藤雄平知事が5日、8町村の首長と議長でつくる双葉地方電源地域政策協議会からの要請を受け、県生活環境部長と副町村長らによる実務者レベルで論点を整理し、佐藤知事と町村長の協議を行う方針を示した。ただ双葉町は、井戸川克隆町長が地元住民の意向確認や8町村間の協議ができていないなどとして協議に参加しない方針を示していた。

放射線量、色分け映像化 ガンマカメラ実証実験 福島
「河北新報」2012年01月12日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t65007.htm
建物や庭の土から出る放射線を感知し、風景に重ねて線量ごとに色分けして示す「ガンマカメラ」を東芝が開発し、線量が比較的高い福島市大波地区の寺で11日、実証実験が行われた。
一般的な放射線測定装置は軒下や地表の狭い範囲を「点」として調べる。ガンマカメラはある程度の「面」の中で線量の高い部分を調べられるのが特徴。放射性セシウムから出るガンマ線を検出する128個のセンサーと、ビデオカメラで構成する。
センサーの検出限界値は毎時0.1マイクロシーベルトで、ある程度の時間、継続して測定したい場所に向けてガンマカメラを固定し、積算の線量を測る。カメラに接続したパソコンの画面上で、その場の風景と線量の高低を色分けして映像化する。線量が高い順に赤、黄、緑、青で示される。
実際の空間は奥行きがあるため、センサーで厳密に線量を測定するのは難しい面もあるが、雨水などが流れて線量が高くなる「ホットスポット」を発見するのに向いているという。
11日の実証実験は東芝と福島市が共同で実施。寺の屋根から雨水が落ちる地面などで実際に線量が高い部分を見つけることができた。
視察した瀬戸孝則福島市長は「見えない放射線を可視化する技術は優れているが、価格が高いので、多くの地域で活用するには国や東京電力の支援が必要になる」と話した。
東芝はガンマカメラの価格を明らかにしていない。高額なため基本的に個人利用は想定せず、自治体などでのリース利用を目指すという。

福島・大波で「ポータブルガンマカメラ」の実証実験
2012年1月12日 福島民友ニュース
http://www.minyu-net.com/news/news/0112/news5.html
放射線量を色の変化で確認できる東芝の「ポータブルガンマカメラ」。ホットスポットを特定し、除染作業効率化へ役割が期待できる=福島市大波
東芝が開発した放射線量を色で表示できる機器「ポータブルガンマカメラ」の実証実験は11日、福島市大波地区で行われた。放射線量を可視化することで局所的に放射線量が高い「ホットスポット」をいち早く特定し、効果的な除染につなげる機器として期待される。
福島第1原発の建屋内の調査に使用されているものを改良した。毎時0.1マイクロシーベルトという低線量でも対応できるよう測定性能を約30倍以上高め、重さも9.8キロと小型化、持ち運びできるようにした。
同社と福島市が共同で実施した実証実験では除染作業による線量低下を機器を通して確認。雨水がたまっている側溝や雨どいの下など比較的射線量の高い地点は赤く表示され、低い地点は緑や青色で表示された。
同社によると、1日当たり約50万円でのレンタルを想定している。実験を視察した瀬戸孝則市長は「除染のターゲットを絞ることで効果的に除染ができる機器。国と東電が責任を持って全自治体に導入するよう望む」と語った。

「原発事故さえなければ通信」発行 住職が福島の苦悩訴え
「河北新報」2012年01月12日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120112t65011.htm
被災地の声を届ける「原発事故さえなければ通信」と吉岡さん=福島市の円通寺
福島第1原発事故に苦しむ被災者の実情を伝えようと、福島市の僧侶が独力で「原発事故さえなければ通信」を発行している。昨年11月に第1号を出したところ口コミで評判が広がり、全国から注文が相次いだ。予想外の反響で結局、1万部作った。第2号も元日付で発行。「事故さえなければ、普通の生活を送れたのに…」という福島県民の切実な思いを、全国に発信し続けている。
「原発事故さえ―」はA4判カラーの4ページ。福島市にある円通寺(曹洞宗)住職の吉岡棟憲さん(64)が、一人で編集に携わっている。「苦境にある福島県民の思いを知ってほしかった」と吉岡さんは話す。
第1号の部数は当初、4000部だった。無料で送料もなしに県外の知人らに送付したところ、注文が相次いで増刷した。
4000部刷った第2号のトップ記事は「間もなく10カ月、見えない収束」。福島県の被災者にとって、昨年1年間を表す漢字は「絆」よりも「嘘(うそ)」が適していると書いた。
原発事故をめぐって国や東京電力が情報を隠し、福島県民は一層苦しい立場に追いやられる結果になった、という思いからだった。
農産物の出荷停止や風評被害に見舞われている農家の悩みや、賠償金支払いに時間がかかり過ぎること、県外への避難者が増え続けていることなどを紹介している。
吉岡さんは「政府は原発事故の『収束宣言』を出したが、実際は収束には程遠い。悲劇を風化させないために、地元の実情や生の声を広く訴えなければならないと思った。隔月で発行し、変わっていく福島の状況を伝えていきたい」と言う。
「原発事故さえ―」の連絡先は円通寺024(546)6401。
【関連】広野町 修行院(真言宗智山派)復興ブログ
11月の修行院(19):原発事故さえなければ通信
http://hironoshugyoin.blog.fc2.com/blog-category-24.html

【茨城】家庭菜園作物など 放射線量測定へ
「東京新聞」2012年1月12日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/20120112/CK2012011202000061.html
石岡市は家庭菜園などで収穫した農作物や飲料用の井戸水の放射性物質の測定を三十日から無料で実施する。福島第一原発事故による放射能の影響を心配する市民の声に応えた。予約が必要で二十三日から事前申し込みを受け付ける。
市が独自に納入した放射性物質の測定器を使用する。飲料水はそのまま、農作物は一キログラムをミキサーにかけた状態で市役所放射線対策室窓口に持参すること。測定は平日の午後一時半から。取り扱いは一日三件程度。問い合わせは放射線対策室=電0299(23)1111内線141=へ。

がれき受け入れ 県が35市町村に協力要請
「上毛新聞」2012年1月12日(木) AM 07:11
http://www.raijin.com/news/a/2012/01/12/news02.htm
東日本大震災で大量に発生した宮城、岩手両県のがれきを県外で受け入れる広域処理が進まない現状を踏まえ、県は11日、県内35市町村に受け入れ協力を初めて要請した。ただ、放射性物質への懸念からちゅうちょする自治体は多く、受け入れが進むかは不透明だ。
県庁で同日開いた放射性物質汚染対処特措法に関する説明会で、依頼文書を配布した。県は自前の焼却施設がないため、焼却施設を持つ市町村に働き掛けた。「市町村と一体となり、広域処理に積極的に協力する」として、住民の不安解消に努める考えだ。
ただ、市町村側は慎重だ。前橋市は下水汚泥の焼却灰から放射性物質が検出されており「現状では難しい」と説明。沼田市は「施設の能力的に受け入れは困難」としている。
環境省の要請で県が昨年10月に実施した調査では、県内44市町村・一部事務組合のうち40が広域処理を「検討していない」と回答、「検討中」は4市町村・組合にとどまった。
宮城、岩手両県では約2千万㌧のがれきが発生したと推計され、このうち宮城県が343万㌧、岩手県が57万㌧の広域処理を希望している。復興には広域処理支援が不可欠だが、受け入れは現在、東京都と山形県にとどまっている。
特措法の説明会では、県内で発生した廃棄物の対応について解説。焼却処理施設や最終処分場を管理する市町村や事業者に対し、焼却灰の放射性物質などについて調査・報告の義務があることも説明された。

【埼玉】「やがていい日が来る」東日本大震災から10カ月 双葉町民、故郷に黙とう
「東京新聞」2012年1月12日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20120112/CK2012011202000059.html
東日本大震災から十カ月を迎えた十一日、福島第一原発事故で加須市の旧騎西高校に役場機能ごと避難している福島県双葉町の町民ら約五十人が校舎の外に集まり、故郷のある北の方角に向かって約一分間、黙とうをささげた。
井戸川克隆町長は「私たちはつらい思いをしているが、『放射能を出したのだから』『今までカネをいっぱいもらっていたのだから』という見方をされる。実際、双葉町が放射能をまき散らしたわけではありません。やがていい日が来るので、とにかく生き永らえてください」と町民に呼び掛けた。
ただ、同校に避難する無職女性(70)は「双葉にはもう帰れないんだろうね。十カ月たって現実になってきた。そうしたら私たちは一体、どこに住めばいいんだろう」とため息を漏らした。 (増田紗苗)

4校とも基準値超 放射線量調査で千葉県教委
「千葉日報」2012年01月12日 11:03
http://www.chibanippo.co.jp/c/news/local/66997
千葉県教委は11日、汚染状況重点調査地域に指定された県内9市の県立学校のうち、初日の10日に測定した4校の空間放射線量を公表した。測定値は毎時0・27~0・49マイクロシーベルトで、4校とも国負担による除染の基準値となる0・23マイクロシーベルトを上回った。
4校は、特別支援学校流山高等学園第2キャンパス(流山市名都借)と、いずれも廃校になっている旧松戸矢切高(松戸市中矢切)、旧柏北高(柏市小青田)、旧湖北高(我孫子市日秀)。1校あたり校庭の5カ所で、地上から1メートルと0・5メートルの高さで測定し、平均値を出した。最も高かったのは、旧柏北高の0・49マイクロシーベルト、最低は旧湖北高の0・27マイクロシーベルトだった。

【神奈川】「温かい気持ち東北へ」 東日本大震災から10カ月
「東京新聞」2012年1月12日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20120112/CK2012011202000050.html
東日本大震災の発生から十カ月となる十一日、横須賀市の二十三中学校の生徒会役員でつくる「横須賀市中学校連合生徒会」の約七十人が、京浜急行横須賀中央駅前など市内中心部で、被災地に送る義援金を募る活動をした。
同会は震災後、被災地の中学生に向けた応援メッセージを収めたDVD制作や、義援金を送るなどの支援活動をしている。今回は発生十カ月の節目に、震災を風化させず支援を続けようと募金活動に取り組んだ。
生徒たちは夕方の寒風にさらされながら、お手製の募金箱やプラカードを手に「皆さんの温かい気持ちを、東北へ届けましょう」と大きな声で道行く人に呼び掛けた。参加した馬堀中学二年の里見郁也君(14)は「少しでも早く被災地に復興してもらえれば」と話していた。
集めた義援金は日赤を通じて被災地に送る。(中沢佳子)
