戌の日に安産祈願した神社へ、お札をお返しに行った。

ずっと棚の上に置いてあった。

早く返してスッキリしたかった。



上の子三人とも、生まれたての頃にルンルンしながら行った。

赤ちゃんが居ないお礼参りがあるなんて、考えたことなかった。

小雨が降る中、ガランとした境内に家族みんなで行った。

ただ、淡々とお札を返し、

ただ、淡々とお参りして御礼を言った。




「私は無事で、安産で産ませてもらって有難うございました」




それ以上のことは何もなかった。

私の気持ちは「無」に近かった。



子どもたちは、鳩に餌をあげて楽しんでた。

それを横に座って、ぼーっと眺めてた。

平和な休日。

特別変わりない光景。

ただ私の中でだけ、「赤ちゃんが居ない」事実。

違和感が抜けない気もするけど

一方で、これが現実と思い知らされる。



初めての安産祈願に来ただろう夫婦がいた。

お宮参りに来た人もいた。

4人目のお子さんだろう家族もいた。



何も思わなかった。

さみしくて泣きたくなることも

悲しみのどん底に落ちることも

なんで私だけって思うこともなかった。



みんないろんな想いを抱いて来てるだろうし

側から見たら私たちも5人家族だし

今のこれが全て。

私たちは6人家族。

〇〇ちゃんが心の中に居る。




子どもたちは永遠と1時間くらい餌をあげてた。

私はずっと思考停止。

平和で楽しかったー。

〇〇ちゃんも楽しかったんじゃないかな?