(第131回)エビちゃん
僕はエビを飼っている。多分、3百匹くらいいると思う。もともとはメダカを飼う時に水槽に10匹入れたのが始まりで、それがわずか半年足らずで300匹に増えたのだ。
僕が飼っているのはミナミヌマエビという小エビで、大人になっても体長は2センチほど。水ゴケや魚の餌の食べ残しを食べてくれるので、お掃除屋として水槽に入れられることが多い。性格はおとなしいので他の魚を襲って補食することはない。
さて、飼って見るとエビはいろいろ可愛くて面白い。
泳ぎ方…
その1・シャカシャカ泳法
お腹についた小さな足をシャカシャカさせて進む泳法。まるでゾウリムシのせん毛のように細かく足が動くので、なんとなく進化の過程が感じられて面白い。
その2・イルカ泳法。
足を全部たたんで、しっぽを広げてドルフィンキックで泳ぐ。スィ~っと優雅に進む。
その3・エビワープ。
背を瞬時に丸め後ろに跳び下がる方法で、これはびっくりした時や、他の魚に襲われそうになった時に見せる。実際に水中で見ると、瞬間移動のように動き、人間の目では追い切れない。僕はこれをエビワープと呼んでいる。たまに勢い余って水槽の外にワープしてしまうこともある。
食べ物…
雑食性でいろんなものを食べる。一番喜ぶのが市販のザリガニ用の餌か魚の死骸。例えば水槽でメダカが死んだら、よってたかって、数時間で骨まで食べてしまう。虫でいうならアリ、鳥でいうならハゲタカである。死骸を食べるのは一見残酷にも見えるが、食べて糞にして分解されることにより、食物連鎖が成り立っている。エビがいなければ死骸は腐り、水は毒水と化す。
野菜も食べる。ニンジン、キュウリ、ミカンなどもよく食べる。エビの体は透けているので、腸の中身が見える。ニンジン好きの個体はオレンジ色の腸になり、キュウリ好きの個体は緑色の腸になる。
脱皮…
エビは脱皮して大きくなっていく。脱皮した皮もエビが食べてしまう。
「立つ鳥あとを濁さず」というが、「脱ぐエビあとを汚さず…」である。
産卵…
メスの腹にある細かい足の間に卵数十個を抱えたまま、何週間か過ごす。足をシャカシャカと動かし、卵に新鮮な水(酸素)を送り込む仕草がとてもかわいい。卵からかえった子供は最初プランクトンのような形で、人間の目では確認しにくいほど小さい。
さて、僕はエビを飼い始めてから、エビを使った料理をなんとなく敬遠して来た。加工されてほとんど形が見えないエビバーガーでも敬遠していた。
しかしある日、エビワープで水槽外に飛び出し、干からびてオレンジ色になっていた小エビをそのまま食べてみた。これは、このエビちゃんの死を無駄にしないために、僕の糧となってもらうための行為である。この時ほどよく噛みしめてエビを食べたことはないし、とても美味しかった。小さな生命に感謝!
…このエビを食べた時の感謝の気持ちを忘れずに、これからはエビ料理を敬遠せずに食べたいと思う。
2007年4月16日号掲載

蛯原友里 1979~
モデル。通称『エビちゃん』。エビバーガーのCMでブレイクした。
| 追記・・・『エビちゃん』でこのネタか!と蛯原友里さんファンには怒られるかもしれません(笑)。でも僕は、エビちゃんがエビバーガーを食べる爽やかなCMを見ても、そのエビがどこで生まれてどんなふうに育ったのか気になってしまうのです… |
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