フットハットがゆく! -57ページ目

(第134回)魚くん

 
 先日、鴨川沿いを歩いていると、三条から五条のあたりで、川に白いヒモがジグザグに張られているのを見つけた。何かなぁ?と思って貼り紙を見ると、『川鵜被害対策中』とのこと。放流した鮎の稚魚を川鵜が食べてしまうので、ある程度鮎が成長するまで、川にヒモを張って防ぐのだそうだ。
 また、こういう看板も見かけた。
『お願い、野鳥に餌を与えないで!私たちが出す生ゴミや、過ぎた餌やり行為が、野鳥による被害等の誘因となり、生態系を乱すことにもつながります。』
 …生態系を守るために京都市も大変なようだ。


 ということで、今回は僕にとって身近な、観賞魚用水槽の生態系について書いてみる。
 僕は今水槽を4つ持っていて、そこにはメダカ、ドジョウ、モツゴ、熱帯魚類、小エビ類、貝類、ウーパールーパーがいる。それぞれの水槽には水草を植えており、目には見えないが、バクテリア類も住んでいるはずである。
 理想の水槽は『バランスド・アクアリウム』といわれ、小さな水槽の中でも生態系が完成しているのが良いとされる。動物の糞をバクテリアが分解し植物の養分に。植物は二酸化炭素を吸収し動物に必要な酸素を供給。その他にもコケ類や植物性プランクトン、動物性プランクトンなどが絡んで、様々なことがバランスよく循環する環境がベストなのである。

 さて、うちの水槽では小エビ(体長約1.5cm)の繁殖力がもの凄く、わずか10匹でスタートしたものが半年ほどで300匹くらいに増え、水槽の底をウジャウジャと這っている状態…。これではバランスが悪いので、小エビを食べる何かを水槽に入れようと思い、ベタ(体長約5cm)という熱帯魚を一匹買って来て入れてみた。
 ベタは通称『闘魚』といい、非常に闘争本能の強い魚である。ところが、最初エビを襲っては食べていたのだが、水が合わなかったのか、わずか4、5日で死んでしまった。その死骸は全部エビに食べられてしまい、ますます栄養を与える結果になってしまった。

 仕方がないので、エビを減らすことを一時諦め、エビの住める空間を増やすために、水草を増やすことにした。
 ところが、熱帯魚屋で水草を買って来て水槽に加えたその日から、エビはけいれんを起こし始め、わずか一晩で200匹以上が死んでしまった。原因は断定できないが、観賞用の水草は、育てられる過程で虫がつかないように『農薬』が使われることがあるらしい。水草を根の部分で束ねる綿に、たまたまその農薬が残留していたのか?…魚には害がなかった微量の農薬が、小エビには致命傷だったようだ。本当にすまないことをした…。

 このように『バランスド・アクアリウム』を完成させ維持するのは実はかなり難しく、経験と情報収集が不可欠である。さかなクンに弟子入りして、いろいろ教えてもらいたいくらいだ。
 それにしても、小さな水槽でも大変なのに、この大きな地球の生態系を、いったい誰が作ったのかと不思議に思う。どうかそのバランスが崩されませんように…。

2007年6月1日号掲載 


さかなクン
さかなクン 1975~
タレント兼お魚らいふコーディネーター。五千種以上の魚の知識を持つ。

追記・・・副題…かなり安易で汗…。このエビの農薬死事件を元に、ひとつファンタジー小説を書いてみたんですが、また発表できる機会があれば…。小さな水槽ひとつでも、いろいろ教えられることが多いです。


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