フットハットがゆく! -17ページ目

(第173回)高し王国

 毎年恒例の『都道府県対抗女子駅伝』が、1月11日に行われた。全国47都道府県の女子トップランナーが京都に集結するのである。僕の家から徒歩30秒で、今出川通を走る4区と7区の選手を沿道観戦できるので、友人知人を呼んで観戦会をした。

 12時半にレースがスタート! 集まった観戦メンバー七人は、まずはTV観戦。2区で兵庫の小林祐梨子選手が29人抜きをしたり、京都のスーパー中学生・双子の久馬(姉)の快走があったりと、盛り上がりつつ、たすきは4区にリレー。僕らは今出川通に出て選手を待つ。上空を飛ぶ中継ヘリの音がうるさい。物々しい中継車、白バイが通り過ぎると、いよいよ選手が目の前に走って来る。京都代表、小崎まり選手に声援を送る。すると次の瞬間、彼女は前の選手を抜きにかかった!…やったね、声援が届いたで~。

 その後いったん家に戻り、再びTV観戦。先ほど声を出していないメンバーがいたので、
「しっかり応援せなあかんやん」というと、
「なんか、声だすのはずかしい」というので、
「声援ひとつで選手のスピードは0.5秒速くなるんやで。七人で声かけたら3.5秒は速くなるやん」
 と、滅茶苦茶論を唱えつつ、次は折り返しの7区観戦のために沿道に出る。京都の7区は昨年この区で区間賞をとった、立命館宇治高校の伊藤紋<あや>選手。手足の長いスポーツ美人で、スピード感抜群。トップから少し離れた2位で僕らの前を通過。
「伊藤、行け~ッ!」
「あやちゃーん、がんばれーッ!」
 と、知り合いでもないのにちゃん付けで応援。いやぁ、盛り上がりました(笑)。その後も続々と47都道府県の選手たちが駆けて来る。鍛えられた選手たちが目の前、数メートルのところを一生懸命走る。寒空の下であっても体が熱くなり、感動する。選手のゼッケンを見て、
「北海道がんばれー!」
「沖縄がんばれー!」
 と県名で応援する。はるばる京都まで来てくれて、感動をありがとう!


 さて、再び家に戻りTV観戦。伊藤選手の頑張りで首位に数秒まで肉薄した京都は、中学生区で双子の久馬(妹)が登場。解説の高橋尚子さんも舌を巻く歴史的激走で独走態勢を作り、そのままアンカーに繋いでみごと優勝。京都は大会五連覇!やったね! で、レース終了後は録画したビデオをチェック…自分たちの沿道応援シーンがテレビに映っていることを確認し、大いに盛り上がった。


 次の日、京都新聞の電子版を見ると、今年も区間賞をとった伊藤紋選手のインタビューが載っていた。
「『伊藤、頑張れ』って名前で応援してもらいうれしかった」
 …もちろんこの記事は、観戦メンバー全員にすぐにメール送信した。


 ちなみに高橋尚子さんは、岐阜県代表でこの大会を何度も走っており、初出場の時はなんと区間47人中、45位だったらしい。それが後の五輪金メダリストになるんやから、これもまた感動的な話やね~。今回の駅伝を見る限り彼女の引退後も、日本女子のレベルの高い長距離王国は続きそうだ。

2009年2月1日号掲載 


フットハットがゆく!-高橋尚子
高橋尚子 1972~
元女子マラソンランナー。2008年引退。現解説者。

追記・・・伊藤紋選手、久馬姉妹選手、みな若い選手なんで、将来が楽しみ!


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