(第4回)解くか、アイデア集 | フットハットがゆく!

(第4回)解くか、アイデア集

 
 皆さん、新年あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく!


 さて、「フットハットがゆく!」は、僕がたんに「ふっ」と思ったこと、「はっ」と気付いたことなどを書いていくコーナーだが、だいたい、おまえ誰やねん?という人も多いと思う。
 よく、どっかの店とか駅なんかでタダで貰える小冊子なんかを読むと、いろんなコラムやエッセイが載っているけど、著者のプロフィールを見ると、なんか凄い有名人の娘さんだったりする。
「あぁ、これは有り難く読まなけりゃいかん」
 とか思って、もう一度読みなおしてしまったりするのだが、僕に関しては、たいしたとりえもない一般ピーポーである(自称映像アーティスト)。
 強いていえば、前にも書いたけど、元MKタクシードライバーである。もう一度読みなおしてもらえそうもないプロフィールだが、こんな僕なりに、エッセイを書くためのアイデアを絞り出した。

 僕はMK(京都)の昼勤出身であるから、観光業務にも長けた諸先輩方が、いかに豊富な知識を持っているかということをよく知っている。社寺仏閣の知識はもちろん、それらに関連した歴史の話まで、大学教授から修学旅行生まで楽しめる話のネタを、たんと持っておられる。
 そういう先輩方もMK新聞を読むのだから、僕の少ない知識や感性で、面白いと思わせる文章を書くのは難しい。そこで思いついたのが、日本史上の人物の名前をダシャレで副題につけ、その人にちなんだ何かを文章に隠す、というやり方である。

 例えば、第一回の副題は、「くたばってしめぇ」であったが、これはもちろん、文豪…二葉亭四迷のダシャレで、文章中に「浮雲が掻き消えるように」云々と、四迷の代表作「浮雲」という言葉を使った。
 第二回の副題は「一からタク乗る」で、これはちょっと苦しいが、石川啄木のダシャレである。文章の内容は一から出直してタクシードライバーになった話であるが、「一握の望みもなくなり、われ泣きぬれた」云々と、啄木の詩の断片を引用した。
 第三回「才能、高盛り!」は西郷隆盛。坂本竜馬の有名な隆盛評、「小さく打てば小さく響き、大きく打てば大きく響く鐘のような男」をアレンジして使った。

 しょ~もない、といわれればそれまでだが、歴史ファンの多い諸先輩方に、「なかなかヒネッとるな」といわせたいがための、苦心の小ワザである。おかげで、副題がかなり不自然になることも多い。ちなみに、挿し絵の人物画はその回ダジャレに使われている人物で、あえて名前は入れず、在世年のみ書いてある。

 エッセイのネタは完成しても、人物ダジャレのアイデアがなかなか出ないことも多く、こんな小ワザ使うんじゃなかった、と後悔することもあるが、そんな時は、
「出ぬのなら出るまで待とうアイデア君」
 ということで、哲学の道をボケッと散歩しながら、フットハットが来るのを待つのであった。


2002年1月1日号掲載 


徳川家康
徳川家康
江戸幕府初代将軍。幕政の基礎を築いた。
鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス…


追記・・・解くか、アイデア集 = とくか、あいであしゅう = とくがわいえやす = 徳川家康…。紙面に連載当初は人物の挿絵と存命年のみで、名前はあえて伏せていました。どういう人物のダジャレなのかは、読者に当ててもらいましょう…という意図でした。ブログ版では初回から人物名を出しております。


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