命拾いをした話その2の続きです。
今回の目的の一つ、であるマタギ(正確には元マタギ)の宿に到着すると、玄関で、マタギとその奥様が迎えてくださいました。湯西川温泉街は、ここからさらに数キロ先にありますが、その入り口といった界隈です。以前は、囲炉裏も二ヵ所ある、大きな民宿でしたが、今は一日一組だけしかとっておられないそうです。お歳をお伺いすると、お父さんは82歳、お母さんは81歳。こうして一組だけでも受けて頂けるのは、有難いことです。
部屋へ案内され、ご自慢の温泉岩風呂などへも案内していただきました。お風呂はいつでも好きに入って良いとのこと。
東照宮界隈の混雑で疲れ果てていたので、お食事の前にお風呂を使わせて頂く事にしました。
が、「熱!!」
源泉で60℃ほどあり、お水で埋めながら入らなければなりません。さらにアウトドアにも岩風呂があって、ゆったり、温泉を堪能させて頂きました。
お風呂から上がって、部屋でほっこりしていたら、「食事の準備ができました」とのお声。待ってましたとばかりに、いそいそと囲炉裏部屋へ向かいました。
囲炉裏では、既にお父さんが色々な食材を串にさして、焼き始めておられましたが、それを頂くまでにも、次から次へと、山の幸が登場します。
その中でも驚いたのが、「鹿の刺身」。どんなものだろうかと、恐る恐る口にしましたが、全く癖も臭みなどもなく、柔らかなまったりしたお味。
こんな珍しいものを頂けるのも、この民宿ならでは。
さらに、採れたての野草が中心の山盛りの天ぷら。(天ぷらの右当たりの黒いのは、熊のしきもの)
実はこの辺りで既に私のお腹は9分目ぐらいに達していたのですが、それでも目の前で一生懸命に何やら色々と焼いてくださっている姿を見ると、これぐらいではへこたれることはできません。
そして、メインディッシュの串焼きが、そろそろ仕上がってきました。
ヤマメ、イノシシ、野鳥…。一目では何か分からない食材たちが串に刺されて、焼き上がっています。
中でも驚いたのは、これ。何だと思いますか?
答えはサンショウウオ。(天然記念物になっているのはオオサンショウウオ)
普通だったら、敬遠してしまうような姿形ですが、このような場であれば、何でも受け入れることができそうです。
そして、〆は、熊汁にお蕎麦。これで私のお腹はとどめを刺され、時間はまだ8時を過ぎたあたりだと思いましたが、お布団に横になり、うんうんうなっているうちに、眠りについていたのでした。続く。
歩きたくなる靴はフットクリエイト。本日、明日は定休日です。