三島由紀夫と幼児期 | 足から健康 櫻井寿美

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足と靴の専門店を経営しながら足と靴の研究にも携わっています。
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 子育てを大方終えた今、あらためて自分自身の子育てについて振り返ってみると、やはり小さい頃の育て方が、子どもの人格とか自立とかに大きな影響を与えていることを感じます。

 わが家では、子どもが小さい頃に、今のこの仕事を夫婦で始めたために、子どもたちと一緒に過ごす時間は随分少なかったように思いますが、量ではなく、質が大切だったことを実感しています。

 1970年に衝撃的な割腹自殺をした、作家の三島由紀夫は、乳幼児期に同居していた祖母によって、いびつな育て方をされているようです。

 授乳が必要な時期から、その祖母は母親から三島を離し、自分の手許に置き、4時間ごとに正確にベルをならし、母親に授乳をさせていたそうです。母からのストレートな愛情を受けられないままに、三島由紀夫は成人することになるのです。

 近年にも、無差別大量殺人などという痛ましい事件が幾度と無く起こっていますが、その裁判のときにも、論点の一つとなるのが、子ども時代をいかに過ごし、それがその犯人の性格形成にいかに影響を及ぼしたかということです。

 貧乏とか裕福という問題ではなく、親がストレートにわが子に愛情を注いでやれる環境かどうか。

 親の役目はとても大切です。