人を褒めることができる人は、すごい!

 

 

そう思ったきっかけは、いまから10年ほど前の勤務校でのこと。生徒指導担当だった私は遅刻してくる生徒を校門で待っているのが日課だった。でも、あまりにも暇だったのと時間がもったいないなと思ったのとで、学校周辺のゴミ拾いをし始めた。

 

 

そんなに車通りがない場所だったので、のんびりフラフラしながらゴミ集めをしていたけど、本当にいろんなものが落ちている。しかも毎日バケツがいっぱいになる。なんで??毎日拾っているのになんで毎バケツがいっぱいになるの!?と疑問でしょうがなかった。

 

 

タバコ、ビニール袋、お菓子の捨てガラ、ビン、ペットボトル等々本当に多かった。余談ですが、拾うゴミって8割以上白いのね。なんでなんでしょう?

 

 

それを毎朝やっていると、すれ違った地域の方に「先生、いつもありがとう!」とお礼を言われることがたまにある。

 

 

いつも??

 

 

会うことはないけど、どこかで見てくださっていたのかなと思い、背筋が伸びるやら悪寒が走るやら。どこかで誰かが見ているというのはやっぱり本当なんだと痛感した出来事でした。

 

 

子どもの頃から褒められるという経験をほとんどしたことがない私は、感謝されたり褒められたりしたときの反応の引き出しが皆無である。たぶん、そのときは笑顔で頭を下げたのだと思う。それしか知らなかったから。

 

 

自分ができないことをいとも簡単にできるこの人、すごいな!と感じたことを覚えている。そんなことを言っても自分にまったくメリットなんかないのにと30代そこそこの私は思った。

 

 

教師じゃないですよね、褒めてもなんのメリットもないなんて(^◇^;)

 

 

あれから10数年。歳を重ね、3児の父親になり、特別支援学級の担任をすることでなんとか褒めることができるようになった、のかもしれない。褒める効力は何となく掴めた気がするけど、それは生徒にとってプラスになるからだけでなく、何より自分が気持ちよくなることに気づいたから。

 

 

保護者数名に電話をし、良かったこと、できるようになったこと、「お母さん、その考え方は素晴らしいですね!」と褒めちぎった後に退勤するときの何と気分の良いことか!気分が良くなる言葉を一番近くで聞いているのは、自分だしね。そうなるんでしょうね。

 

 

バーで働いている女友達が「他のスタッフに頼ってばかりで情けない」的なことを言っていたので、「あなたの何気ない一言や笑顔に癒されたりホッとするお客さんはたくさんいるよ」と伝えたら、元気になった!明日から頑張る!と言ってくれました。

 

 

少しは地域の方に近づけたのなら嬉しいですね(^-^)