今日は一本歯下駄トレーニングのうち、ワップアップとワップダウンの動きを具体的にどうやってサッカーに活かすのか?
そんなお話をしたいと思います。
1.ワップアップとワップダウンのおさらい
過去の記事でもお話しましたが、
(1)ワップアップ→縮めた体幹を伸ばす(反射)背骨のバネの動きです。
動画の0:52以降をご覧ください。
(2)ワップダウン→伸ばした体幹を縮める(反射)背骨のバネの動きです。
動画の1:15以降をご覧ください。
※ワップアップ、ワップダウンともヒップホップダンスの応用動作なんです。
この動画をご覧になると分かると思いますが、ワップアップもワップダウンも似たような動きですよね。
これって、具体的に何の役に立つの?なんて考えている方も思います。
実は、ワップアップとワップダウンは相互に反射的な動きをすることでサッカーに活かすことが出来るんです。
2.ワップアップとワップダウンは背骨のバネ反射
次の動画では定規を使って解説しています。
先ほどもお話しましたが、ワップアップとワップダウンは相互に反射的な動きをするということですよね。
ということは、ワップアップとワップダウンは一対の組み合わせの動きなんです。
ワップアップとワップダウンは背骨のバネ作用と関係しますが、これとよく似た動きがあります。
それは、「みぞおち抜き」と「みぞおち抜き:反射」の動きです。
この二つの動きも一対の組み合わせの動き⇒反射的な動きをすることで一種のバネ作用が生まれます。
カットインの記事でご紹介した、次の動きですね。
① みぞおち抜きとヒザ抜き→「くの字」になってブレーキをかける。
② みぞおち抜き:反射→「くの字」に曲がった身体を、反射的に戻そうとする動きです。
※要するに、「くの字」に曲げた板バネを、一気に真っ直ぐに戻すような動きです。
3.ワップアップとワップダウンをキックの動きに取り入れる
二つの動きをサッカーに活かすために、簡単な方法があります。
それは、キックのバックスイングとフォロースルーです。
ハッキリ言うとドリブルで二つの動きをマスターするのは時間がかかると思います。
でも、キックならバックスイングとフォロースルーを意識するだけです。
ワップアップとワップダウンの動きが分かり難い…。
だったら、先ずはキックに応用するところから試してみてください。
次の動画の0:41のスローモーションをご覧ください。
バックスイングとフォロースルーに着目してください。
動画から画像を切り出してみました。
(1)バックスイングで大きく反りかえる動き⇒ワップアップの動き
先ほどの定規を使った解説動画を思い出してください。
定規を目一杯反らせた状態がこの動きです。
(2)フォロースルーで一気に縮まる動き⇒ワップダウン
これは先ほどのワップアップの動きと全く逆の動きです。
でも、大切なことはワップアップで背骨の反りかえりがピークになった時…。
つまり、定規を思いっ切り反らして…、手を放す瞬間の「パチーン!」という反射的な動きがワップダウンなんです。
4.ワップアップとワップダウンは「てこの原理」に近い
ワップアップとワップダウンって、小中学校の理科で勉強する「てこの原理」にも似ていますよね。
骨盤を支点、上半身を力点、下半身が作用点ということですね。
力点を大きく反らせることで、作用点が「パチーン!」となることです。
厳密に言うとちょっと違うけど、あくまでも科学的なイメージです。
その点はご容赦ください
ところで、ここでの作用点は下半身ですよね。
下半身⇒足のことでしょ?
「てこの原理」の作用点(足)には力を入れる必要はありません。
ということは、足って力を入れなくても大きなパワーを生み出せます。
つまり、ワップアップとワップダウンは反射的な動きをすることで、とても大きなパワーを生み出すんです。
先ほどのインフロントキックの動画では、「とも」はフルパワーの半分くらいで…となっていますよね。
でも、実際には上半身の力しか使っていませんし、下半身は脱力したままなんです。
これって、まさに定規が「パチーン!」となる動きそのものなんです。
だから、足の力は必要ないんです。
それと、「とも」のように軽くキックすることで、足の重さもキックのパワーに変えてしまうことが出来るんです。
過去の記事で「ヒザを強く振る?それって常識?」の中でもお話しましたよね。
これって、今回のワップアップとワップダウンの動きと繋がっていると思いませんか?
要するにサッカーは足だけでやるもんじゃないんです。
それに、スポーツは科学で解明することが出来るんです。
それと、みなさんの子どもさんにアドバイスするとしたら次のように繰り返し伝えてください。
(1)上半身を大きく使いなさい!
(2)足に力を入れてはダメ!
(3)全身をリラックスしなさい!
たった、これだけです。
でも、ちょんちょんリフティングで軸足を鍛えるのもお忘れなく…
5.ワップダウン⇒アップの動き
先ほどは、ワップアップ⇒ダウンまでの動きを反射的にすることによって大きなパワーを生み出すお話でした。
それでは、その反対の動きはどんなものでしょう?
つまり、身体を縮めてから大きく伸ばす…。
要するにジャンプの動きですね。
(1)ジャンプの直前でしゃがみこむ動き⇒ワップダウンの動き
日本の場合は「ヒザのバネを使え!」と言われることが多いと思います。
これでは重たい上半身を下半身の力だけで「よいしょ!」って頑張るようなものです(笑)。
それに上半身と下半身の体重比は6対4で上半身の方が重たいでしょ?
でも、背骨のS字のバネ(上半身)を意識した方が大きなパワーが得られます。
要するに、重たい方を先に動かそうとする考え方が大切なんですね。
(2)ジャンプで身体を伸ばす動き⇒ワップアップの動き
ここで最も大切なことは、先ほどの「しゃがみこむ動き⇒ワップダウンの動き」から反射的にジャンプの動きに変えることです。
そのためには、なるべく(1)でしゃがみ込んだら…、すぐにジャンプすることです。
のんびりしゃがんでいたら反射になり難いからです。
でも、見た目には大したジャンプではないですよね。
ここで最も大切なことは、ジャンプ一つの動きにもワップアップとワップダウンを意識することが大切だということです。
6.カットドリブルでも背骨のバネ作用は重要
過去の記事でカットドリブルのお話をしましたよね。
次の動画の最初のイン・アウトのカットドリブルで「とも」は身体を縮めたり伸ばしたりしてるでしょ?
実は、ここでもワップアップとワップダウンの動きを使っています。
もちろん、体幹ひねりとか肋骨の蛇腹作用とかいろいろ使っていますけどね。
要するに、上半身の体幹部分のいろいろな骨格と筋肉をくまなく使っているということなんです。
参考:カットドリブルと身体の使い方 カットドリブルと体重移動
ところが、先ほどもお話したとおり、ドリブルで二つの動きをマスターするのは時間がかかります。
なぜなら、ドリブルってみなさんが想像する以上に上半身(体幹部)の複雑な動きが必要だからです。
実際のところ「とも」がワップアップとワップダウンの動きを取り入れたのはキックが先でした。
それに、キックならバックスイングとフォロースルーを意識するだけです。
みなさんの中でワップアップとワップダウンの動きが分かり難い…。
だったら、先ずはキックに応用するところから試してみてください。
よろしかったら、ぜひ参考にしてみてください
記事ネタの募集も続けています。
コチラのコメント欄にどうぞ⇒https://ameblo.jp/football-honjo/entry-12324369297.html
それと先日の記事でご紹介した小1のこどもの動画ですけど…。
この子は「とも」じゃないですよ。
勘違いしないでくださいね(笑)。
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