今日も前回に引き続いて、カットインに必要な練習方法や身体の動き方についてのお話です。

前回は、サッカーのプレーの全てに必要な「高重心」のお話しをしましたよね。

今日は、これを踏まえて、いよいよ「ヒザ抜き」と「みぞおち抜き」のお話です。

 

ところで、、旧来型のカットインでは軸足で踏ん張ってしまうため、足への負担はかなり大きく動きも悪くなってしまいます。

 

こうした場合の改善策として「体幹ひねり」も取り入れていただくことで、足への負担と動きの悪さが解消されます。

実は「とも」のカットインは、ターンの時に体幹ひねりを使っています。

私としては、あまりにも当たり前すぎ…と思って、「自然でスピーディーなカットインのコツ!」の記事では、説明を省略してしまいました。

 

でも、これってとても重要な事でした…。

説明不足でごめんなさいショボーン

 

そこで、今日は「ヒザ抜き」と「みぞおち抜き」と合わせて「体幹ひねり」も詳しく解説したいと思います。

 

 

 

1.カットインの際の身体の動き方

 

過去の記事でご紹介した「自然でスピーディーなカットインのコツ!」で説明していなかった部分も合わせて、もう一度基本の動きを説明します。

 

カットインはターンの一種ですが、大きく分けて二つの動きが必要になります。

(1)ターンの直前にブレーキをかける→「ヒザ抜き」と「みぞおち抜き」

(2)スムーズにターンして同時に加速する→「体幹ひねり」

 

 

つまり、「ヒザ抜き」「みぞおち抜き」でブレーキをかけて、「体幹ひねり」でターンするということですね(細かいことを言えば「背骨のバネ作用」も使いますが、高重心に変化していれば自然とバネ作用も身に付いているはずなので説明は省略します→高重心とバネ作用の関係は前回の記事を参照してください)。

ちなみに、他の種類のターンでも「ヒザ抜き」「みぞおち抜き」「体幹ひねり」が使えます。

 

「ヒザ抜き」「みぞおち抜き」「体幹ひねり」を使ったターンは、足の力をほとんど使いません。

でも、そればかりではありません。

特に「体幹ひねり」は遠心力を使うので、自分の想像以上のスピードで身体が回転(つまりターン)してしまいます。

 

要するに、身体の使い方を工夫するだけで、スピーディーで自然な動きが出来るわけなんです。

 

そこで、次に「ヒザ抜き」「みぞおち抜き」「体幹ひねり」の動きを順番で解説します。

 

 

 

2.ヒザ抜きの動き

 

一本歯下駄トレーニングしていれば、いつの間にか「ヒザ抜き」が出来てしまいますが、次の動画のように下駄を使わない簡単なトレーニングもあるので、ぜひ参考にしてください。

特に、ヒザ抜きを体感する…という点に注意してご覧ください。

 

 

 

3.みぞおち抜き

 

次の動画でも、みぞおち抜きを体感する…という点に注意してご覧ください。

 

 

 

4.体幹ひねり

 

次の動画の体幹ひねりは、ドリブルだけではなく、キックやトラップなどのいろいろなプレーに活かせます。

カットインで鋭く速くターンするためには、必要不可欠な身体の動きです。

どうでも良さそうな体操だな…なんて思わずに、ぜひ毎日の準備体操に取り入れてみましょう。

 

先ほどもお話ししましたが、体幹ひねりはカットインの際のターンで必要な動きです。

次の画像を見ると「とも」はターンの時に、軸足(右足)を曲げていますよね。

これって、軸足(右足)で踏ん張っていない証拠なんです。

 

もしも軸足で踏ん張っていたら、地面を蹴るために、足をピン!と真っ直ぐに伸ばしていますよね。

先ほどの「とも」のカットインの動画で確認してみてください。

ディマリアも軸足を曲げていますよ。

 

ちなみに、「とも」が得意とするマシューズフェイントも、軸足の踏ん張りはほとんどありません。

体幹ひねりと背骨のバネ作用を使っているんです(メッシのようにターンの直後に頭から低く飛び出すので頭の重さも使っている)。

 

カットドリブルだって、アウトとインのターンの繰り返しですが、これだって、軸足の踏ん張りは必要ないんですよ。

体幹ひねりと背骨のバネ作用だけで十分なんです。

むしろ、その方が速く動けます。

ちなみに動画ではゆっくりやっているけど、「とも」が本気を出したらハンパないスピードですよポーン

 

要するに、カットインに限らずドリブルの際のターン(またはターンに類似する動き)は、体幹ひねりの遠心力が使えるので、軸足を踏ん張る必要がないんですね。

しかも、ヒトの上半身と下半身の体重比は6対4で上半身の方が重いんです。

体幹ひねりの遠心力を使うということは、重たい方の上半身を先に動かしてしまうということなんです。

ちょうどハンマー投げのようにね。

 

しかも、リラックスすればするほど、身体が速く動きます。

専門的には、タイツ先生の主張する「筋出力の最大化」ということです。

 

ということは…。

この動きを練習する時って、最初のうちは自分の身体が速く動きすぎてボールコントロールが上手く出来ない!という現象が起きます。

つまり、それくらい身体が速く回転してしまう!ということなんです。

でも、安心してください。

練習を続ければ慣れてしまいますよ。

 

ここでご注意いただきたいのですが、みぞおち抜き、ヒザ抜き、体幹ひねりは、いずれもリラックスして練習してください。

実際のプレーで使う時も、リラックスしないと筋出力の最大化→スピーディーな動きになりません。

くれぐれも、絶対に身体に力を入れないでくださいね。

 

 

 

5.まとめ

 

さて、前回の記事も含めて、カットインの動き方と練習方法をまとめてみましょう。

カットインは、ブレーキをかけながら同時にターンもしてしまう…というテクニックですよね。

そのための練習方法としては、

 

(1)高重心とリラックス

前回の記事を参考にしつつ、一本歯下駄トレーニングでいろいろな動きを取り入れてください。

それとリラックスは必須です。

高重心になったサインは、女子のような、しなやかで「くにゃくにゃ」とか「なよなよ」した身のこなしです。

時々、ピデオなどで撮影して確認してみてください(スローにすると分かりやすいです)。

ちなみに、先ほどの「とも」のカットインの動画に出てくるディマリアもしなやかな動きをしているでしょ?

 

(2)ヒザ抜き、みぞおち抜き

ヒザ抜きとみぞおち抜きはターンの直前のブレーキになりますが、先ほどの動画を参考にしてリラックスしつつ、最初はゆっくりと練習してください。

先ずは体感することが大切ですね。

そのうえで一本歯下駄トレーニングも並行して取り組んでください。

 

(3)体幹ひねり

体幹ひねりはターンの時に必要な動きです。

とにかく地味な練習ですが、単に身体の上下を逆にひねるだけです。

難しいことは一切ありません。

 

(4)カットインの練習

体幹ひねりの動きが身に付いたら、実際にカットインを練習してみましょう。

出来れば、最初のうちはボールを使わずにゆっくり歩きながらイメージトレーニングをしても良いです。

そのうえで、次の二つの動きを意識してください。

① ターンの直前でヒザ抜きとみぞおち抜き

② ターンの時に体幹ひねり

※カットインをする時の体幹ひねりは、実際にはほんのわずかしかひねりません。

でも、イメージトレーニングをする時は「出来るだけ大きく速く体幹をひねってみよう!」。

そんなふうにイメージしながら繰り返し練習してみてください。

 

さらに、最も大切なことは、ターンの時は体感ひねりだけを使い、絶対に足で踏ん張らないということです。

体幹ひねりはハンマー投げのように強い遠心力を生み出すので、足で踏ん張るよりも速いターンが可能になります。

むしろ、「とも」のように足の役割は利き足のアウトサイドで軽くボールをタッチするだけ…。

軸足さえもほとんど使わない…。

こんなふうに考え方を変えてみてください。

 

旧来型のカットインの動きが身に付いている方は慣れるまでが大変かも知れません。

マスターするまでには時間も必要でしょう。

 

でも、急がば回れ!です。

 

それに「とも」だって出来たんです。

「とも」に出来て、他の人が出来ないわけがありません。

みんな同じ人間じゃないですか!

 

練習すれば誰だって身に付くはずです。

ぜひ頑張ってマスターしてください。

心より応援しています目

 

 

 

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