インステップのミドルシュートって豪快ですよね。

特にペナルティーエリアの外から打ったシュートが決まった時は、最高の気分です。

 

でも、Jリーガーとか日本代表選手のミドルシュートは、バーを越えたりしてよく外しますよね。

これって、狙ったところに蹴る技術がないわけだから、どうしようもないと思います。

 

狙ったところに蹴れるかどうかは、練習しだいなんですが、ちょっとだけ練習方法を工夫すれば意外と簡単に上達すると思います。

 

そこで、今日はインステップキックのミドルシュートのお話です。

 

 

 

1.日本人のミドルシュートはバーを越えることが多い

 

ふつうミドルシュートを狙うとしたら、ゴールの四隅を狙いますよね。

でも、Jリーガーとか日本代表選手のシュートを見ていると、

(1)上の二ヶ所を狙うとバックスピンがかかってバーを越えてしまう…。

(2)下の二ヶ所は不思議なくらいにシュートを狙わないと思います。

上の二ヶ所を狙うとバックスピンがかかってバーを越えてしまう…。という点では、次の動画の1:03のシーンのミドルシュートをごらんください。

見事にバックスピンがかかってますよね(笑)。

結局キーパーに弾かれていますが、キーパーが反応しなかったとしても、バーを越えていたと思います。

 

日本人のサッカー選手って、こういうのがとても多いですよね。

これって、たぶん子どものころから、何とかの一つ覚えみたいに、ボールを浮かせるシュート練習ばかりさせられたからだと思います。

 

例えば、子どもさんの所属チームやスクールでのシュート練習の時、グラウンダーのシュートを蹴ったりすると「何だ!そのへなちょこのシュートは!」なんて言われたりしませんか?

ズドーンと高いコースに決まると「ナイスシュート!」なんて言われたりしませんか?

子どもからしたら、そんなことばかり言われると、例えバックスピンがかかったとしても浮かせるシュートを蹴ろうとしますよね。

そして、シュートは浮かせるのが正しいと思い込んでしまう…。

 

別に、グラウンダーのシュートって全然悪くないんですよ。

そこで、次にグラウンダーのシュートの良さを考えてみましょう。

 

 

 

2.グラウンダーのシュート

 

次の動画はコウチーニョのミドルシュートですが、地面を這うようなボールですよね。

私が30年前にいたブラジルでは、いちおう芝のグラウンドでしたが、芝の状態がとても悪いので、キーパーの手前でバウンドするようなシュートを蹴る子どもが多かったです。

キーパーにとって、強いグラウンダーのボールでバウンドすると案外セーブしにくいんですよね。

日本では、土のグラウンドが多くてバウンドしやすいから、ぜひグラウンダーのシュートは覚えてほしいと思います。

 

それに比べて、浮いたボールって、キーパーは反応しやすいんです。

これはヒトの動作特性とも関係あります。

人は、上下、左右、前後の中では、下(斜め下方向)と後ろの動きはかなり苦手です。

例えば、下に来るボールの場合は、斜め下方向への横っ飛びになりますよね。

そういう時って、概ね自分の身長の範囲内しか追い付けません。

ノイアーとかブッフォンだって、自分の身長という限界がありますからね(笑)。

その反対に、上、左右、前は得意なんです。

だから、キーパーがスーパーセーブ!という時って、ほとんどが、バーとか左右のポストの近くに来たボールを弾いたりしてませんか?

(キーパーもあらかじめシュートコースを読んでいるので、その近くで構えていることが多いですけど…)

これって、上、左右の動きですよね。

ふつうのキーパーなら誰でも…とは言いませんが、それほど難しくはないんです。

ちょっと余談になってしまいました(笑)。

 

 

ちなみに、先ほどのグラウンダーのシュートをコースに蹴り分ける場合は、軸足の方向を変えれば良いだけなので、これも練習すれば覚えやすいと思います。

グラウンダーのインステップキックは、ボールの中心をインステップと足首の中間あたり、またはインステップの少し上くらいで蹴ると、地面を這うような低いボールが蹴れます。

ボールと足との接地面積が大きくなるので無回転になりやすいですよ(インパクトの接地面積が大きくなると回転しにくい)。

 

 

 

3.浮かせるシュートは高さの感覚を身に付ける練習から始めよう

 

浮かせるシュートをコースに蹴り分けるのは、意外と難しいです。

上の二ヶ所を狙って蹴っても、何となく練習していたらいつまでたっても上達は無理でしょう。

なぜなら、浮かせるシュートって、ボールを蹴る角度がわずか数ミリ上にずれただけで大きく外れてしまうでしょ?

ましてや、ペナルティーエリアの外から蹴るミドルシュートの場合、かなり正確な角度で蹴らないと最初の動画にあるような日本代表選手みたいにバーを越えてしまいます。

 

だったら、浮かせるシュートを練習する場合、取りあえずコースを狙うのは後回しにして、先ずは高さを正確に狙う練習をした方が良いと思います。

次の画像のように、下から3段階くらいの高さで練習して、先ずは高さの感覚を身に付けた方が良いと思います。

(1)グラウンダー、

(2)少し高い場所、

(3)バーのすぐ下(バーに当てても良い)

 

最初のうちは、バーの近くとグラウンダーの二ヶ所に絞って練習しても良いと思います。

 

高さの感覚が身に付いたら、軸足の方向を変えるだけで左右の蹴り分けが出来るようになります。

 

要するに、狙った場所に蹴る感覚を身に付けましょう。

 

 

 

4.「とも」のインステップキック

 

「とも」に三段階程度の高さに分けて、インステップキックを蹴ってもらいました。

距離はだいたい20m前後、フルパワーの30~40%で蹴ってます。

 

弱々しいキックに見えますか?

でも、いちおう無回転ですよ(笑)。

「とも」の無回転は、下にぶれる球なんです。

 

今日の記事で私が言いたかったことをまとめますと、

インステップのミドルシュートは、四隅に蹴り分け出来るのがベストです。

でも、

(1)上の二ヶ所を狙うとバックスピンがかかってバーを越えてしまう…。

(2)下の二ヶ所は不思議なくらいにシュートを狙わないと思います。

だから、練習方法としては、

① 先ずは、グラウンダーのシュートを覚えてコースに蹴り分け出来るようにする。

② 浮かせるシュートを左右に蹴り分けるのは難しいので、先ずは高さの蹴り分けを覚える。

 

試合中に、せっかくシュートチャンスが来たのに外してしまうのはもったいないと思います。

でも、練習方法をちょっとだけ工夫すれば、成果は出るはずです。

よろしかったら参考にしてください。

 

 

 

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