合コンやお見合いのときは、彼に隠して出席したに違いない。

彼が真実に気づいていたらしたかどうかは知る由もないが、そんな"遊び人"だった彼女を必要としてくれた男性なのに、いったいなぜ?


「地方なんてイヤだったから(笑)。
学生時代のわたしは親の束縛から解放されて調子に乗ってたんでしょうね、都会でないと生きられないって真剣に考えてたんです」

しかし二、三回ならともかく、結婚する気もないのにどうして二十八回もお見合いに参加したのか。


「失礼な!きちんと結婚する気はありましたよ。

女優になりたいという夢はまだ捨ててませんでしたが、女優になれないのなら結婚して幸せな人生を送りたいと真剣に考えてました。

当時は"お見合いブーム"だったんですよ。

駒沢大学から駒沢公園(東京都・目黒区)あたりはお見合い写真撮影のメッカ。

今でも営業していると思いますが、お見合い写真の撮影では知る人ぞ知る「小林写真館」はよくお世話になりましたね。

ブームが加熱したせいか、そのころ流行った言葉に『べっぴんも二十五過ぎればうば桜』というのがあったんです。

そういう言葉を聞いているうちに、わたしもなんだか焦ってしまって、まだ二十代そこそこなのに目じりのしわを気にしちゃったり。

そんなわけで結婚願望は確かにあったのです。

むしろ、恋愛結婚にこそあまり興味がありませんでしたね。

わたしらしくないと思うかもしれませんが、殊勝にも親の紹介してくれる身許のはっきりした男性と堅実な結婚をしよう、なんて(笑)」


池田らしいが、常人にはほとんど理解しがたい身の振りかただ。