三人目もTさんといいます。

ある私立学園グループのオーナー家のご子息で、わたしの三歳年上。

地方のご実家とは別に、成城の石原裕次郎邸の向かいに立っていた三百坪の豪邸に住んでました。

彼にかんしてはおもしろいエピソードがあるんです。

大学を卒業する年、東京・銀座の歌舞伎座で日本舞踊の舞台を演じました。

そのとき共演させていただいた役者の方々と、後日、常磐線(JR)の車内でバッタリ。

Tさんと二人でデートから帰る途中でした。

デート現場を見られたところまでは良かったのですが、信じられないことに俳優さんの一人が勘違いしてTさんに、『お父さまですか?』と。

今思えば些細なことですが、Tさんは激怒してました。

まさか父親と間違われるとは……(笑)。

でも、決定的な破談の理由は、やっぱり地方に住むのは耐えられないってことですね。

結婚を考えるようになってから、わたしは都会でないと生きられないことに気づいたんです」


いい線までいったという男性は、すべて資産家で性格も良い紳士ばかりではないか。

これほどの条件でも断るのでは何度お見合いしても無駄というものだ。