ここ何日かずっと本を読み続けている。


本を読むしかすることがないのだ。


と、まあそんなことはどうでもよく、その中で読んだ作品の一つが「屍鬼」。




「屍鬼」はそれはそれは怖い。

何度読んでも怖い。

本体を目にしたことがある方なら納得していただけると思うが、あの厚い上下巻をものともせず読ませる面白さで怖さなのだ。



※以下、ネタばれおおありですので未読の方はご注意下さい。


「屍鬼」は吸血鬼の話だ。

それは吸血鬼ものが好きな人だったらタイトルの段階でまず推測できるだろう。


閉鎖された村、余所者の到来、疫病…お約束の展開てんこ盛りで読んでいると「きたきたきた…」という気持ちになる。


そう、展開は予測可能(最後の方はできなかったけどもさ)、それでも恐怖はいっこうに薄れない。



それが、本当にすごい。




が、瑕があるのも正直なところだ。


それは描写が微に入り細に入り…過剰であること。


この小説は閉鎖された村を舞台に繰り広げられる、人間と屍鬼の鬼ごっこの物語であるといえる。


見えない恐怖に怯える上巻、屍鬼との攻防が繰り広げられる下巻。


主要な登場人物は存在するとはいえ、多くの村人の感情が個々人のものとして詳細に描かれる。


それが、物語の面白さの一端をになっていることは否定しない。


それぞれ異なった人間の感情に組み込まれた排他的な感覚にはひんやりとさせられるし、村の日常、生活がよーっくわかる。


しかし、やはり。


ちょっとしつこいのだ。


そのしつこさに反して、終幕が軽く感じられることも拭えないし、有体にいえば、バランスが悪い、と思う。



と、ちょっとうーん?と思わされるところもあるが、基本的にすごく面白いので、未読の方にはお勧めです。