洗濯物を片付けていると窓辺にばくがきた。

窓をあけっぱなしにしていたのが悪かったのかもしれない。

慌てて窓を閉めようとしたが、油断したすきにするりと入りこまれてしまった。

食事の支度をする私のまわりをばくがついてまわる。

嫌なやつがきたなぁと思う。

ばくがくるとろくなことがない。何をするにしても後をついてきて、邪魔で仕方ない。

最悪なのは寝るときだ。ベッドに入った自分をじぃっとみつめている。

黒い縁取りができたそこだけみるとパンダのようなその目。

みられていることが気になってなかなか眠りつけなかったが、いつの間にやら寝てしまったようである。

気がついたら夢の中だった。遠くに遊園地がみえる。ぴかぴかの大きなやつじゃなくてちっちゃな寂れた移動遊園地だ。

懐かしくなって近づいていくとなんとそこにはばくが先回りしていた。そしてなんたることかはしから遊園地を食べている。

金属でできたメリーゴウランドやコーヒーカップが凄い勢いでばくに飲み込まれていく。私は慌てて走りより食べるのをやめさせようとしたが、いっこうに効果がない。

ばくをとめることに疲れはててしまったその時、目がさめた。

ベッドのわきを見るとあいかわらずばくが鎮座ましましていた。