「慟哭」貫井徳郎



一昨日小野瀬のライブの帰り、ふらふらと渋谷のTUTAYAでゲットした一冊です。

夜の街って楽しいなー(仕事の関係で最近あんまり夜遊びができない…)と徘徊していたらなんだか新しい本が読みたくて読みたくて読みたくて…でも何がほしいのかわからなくて考えあぐねたあげくに買った一冊です(笑)


『続発する幼女連続殺人事件。難航する捜査の責めを負うエリート捜査一課長佐伯は、警察内部、そして幼い娘を抱える家庭内においての不和に窮地に立たされる。

埋められない心の穴…それを埋めようとする男松本は新興宗教に救いを求める。

二つのストーリーの糸が絡まり、物語は交錯する…そしてその果てには驚天動地の結末が待っていた』


煽りをつけるとしたら上のような感じでしょうか。


記憶が確かだったらこの本っておちとか結構評価高かったような気がするんですけど、発表当時。

だから私もそれを期待して読んでいったんですが…北村薫(大好きー)さんによる、読み終えてみれば《仰天》との言葉も帯にありますし。


しかししかし。


そんなにすごいおちかなぁ?


読み始めてしばらくすれば犯人もトリックもだいだいわかっちゃったんですけど…あーまたこのパターンか、って。


ミステリをよく読む人からしたらこのストーリ構成はすごく読み易いものだと思います。ある意味定番っていうか…例をあげてしまうとネタばれになっちゃいそうなのであえてあげないですけども。



それよりもこの小説で語るべきなのは、その心理描写、その細やかさにあると思います。

「慟哭」というタイトルが示すように、この本がもっとも表現しているのは人間の心理…心の深さ、闇。そして光。その表裏一体のありようのように感じました。


本格ミステリとしては少々…というかだいぶん物足りなかったですけど、でもそういう側面では面白かった、かな。