灰色の空が広がる。
大きな黒い雲が一つ。
風の無い今になっては
どこにも流れず、
不吉な何かを象徴するように
どんよりと横たわっている。

かつて青い星と言われた惑星も
今となっては煤けた茶色に見えるだけ。
そこに住んでいた生物の多くも姿は無い。
星よりも明るく輝いていた灯りも
巨大な建造物も無く、
目に見えるのはかつての文明の欠片。
崩れたビルディング、
途切れ途切れのアスファルト、
破れた紙切れ、
半透明の割れたガラス、
スプレーで落書きされたスクリーン、
朽ち果てるのを待っているものばかり。

そこにはもう誰もいない。
何もいない。
そう確信させるほどの圧倒的な静けさが
薄くなった空気を支配している。