ハワイでは、本当によく家族連れを見かけた。それも、ベビーカーを引いた乳幼児連れの家族が多かった。赤ん坊を連れて観光できるハワイは、ファミリーに優しいリゾートと言える。小さな子供向けのアクティビティもあり、託児所も充実している。しかし、あくまで私見だが、帰省や用事でもなく、単なる観光で歩けもしないような乳幼児を海外に連れ出すのは、一種の虐待だと思う。
長時間のフライト、時差、気候の違い、全てが子供にとって大変なストレスとなる。グルメもショッピングも観光も、物心つかない子供には何の意味も無い。しかもツアーはスケジュールが過密なことが多く、子供は昼寝もできず、飛行機の時間によっては早朝に起こされるハメになる。大人にとっては文字通り「お荷物」で、一緒に旅を楽しむパートナーにはなり得ない。大体、物心つく前の子供に、日本と外国との違いを認識できるはずないのだ。「異国情緒」を楽しめないのだったら、海外旅行に行く意味などないだろう。
滞在中、こんなことがあった。ガイドブックやいくつかの雑誌に必ず載る、有名どころの創作和食の店に、ディナーを食べに行った。6時に予約して行ったのだが、着いてみると隣のテーブルに、祖母、母、幼い娘の親子連れがいた。娘は4歳ぐらいである。お酒と一緒に料理を楽しむような店に、連れて来ていい年齢ではないと思う。子供が食べて美味しいと思えるような料理は、その店には無いのだ。案の定、娘は退屈らしく、ソファの上に寝そべって足を投げ出している。母親はそれを形ばかりなだめながら、料理に夢中になっている。母親と祖母はドレスアップしてこじゃれた格好をしているが、娘は普段着である。完全に「部外者」扱いだ。せめて娘にもいい服を着せてやればいいのにと思った。かわいいワンピースなんか着せれば、少なくとも足を投げ出したりしないだろう。
しばらく経つと、もう一組家族連れがやって来た。こちらは大所帯である。祖母と、二人の母親(多分姉妹)に、幼い子供が5人。その中には、ベビーカーに乗った赤ん坊も含まれていた。大きな丸テーブル席をあてがわれ、まるで中華料理屋のようである。料理が来るまで待ちきれないらしく、子供たちはテーブルの周りをうろうろしている。こちらは全員、普段着だ。
正直、何か実害があった訳ではない。隣のテーブルと言っても離れていたし、大所帯の方ははるか遠くの席だった。しかし、すこぶる興ざめだった。不愉快と言ってもいい。コース100ドルもするような、高級店なのだ。幼い子供を連れてファミレス感覚で来るような所ではない。店に対して失礼だと思わないのだろうか?幼い子供がいれば、店側も余計な気を遣う。それに子供連れはどうしても一人当たりの単価が安くなってしまうので、大した利益にならないのだ。おまけに無駄に長居をする。店側にとっていいことは一つもない。それでもお金を払っている以上、子供でさえも「お客様」と遇されてしかるべきなのだろうか。どうも納得が行かない。この手の店は、自分で働いてお金を稼ぐようになってから入ってもらいたい。
私は、この種の高級レストランに子供を連れて来る親の神経と品性を疑う。結局親の精神年齢も子供並ということか。嫌なのは、最近こういうケースがとみに増えて来た事だ。日本では余程の高級店に入っても、小さい子供がいる。それが嫌で海外に逃げて来たのに、そこでも同じような目に遭うとは。理不尽過ぎる。
親子連れは東京ネズミーランド辺りで我慢してもらいたい。あくまで個人的見解だが。