本来私は、「ドンパチドンパチドッカンドッカン」のアクション映画は嫌いなのだが。
主演がアンジェリーナ・ジョリー、更には「ナルニア国物語」のタムナスさんこと、ジェームズ・マカヴォイと知って、何となく興味を引かれて観に行った。
アクションヒーローらしからぬビジュアルのタムナスさんは、やっぱり映画の冒頭では「冴えない男」として描かれていた。メタボな女上司に毎日小言を言われ、親友に恋人を寝取られ、貯金は無く・・・徹底的に「負け組みな人生」を送っていた。この辺、「スパイダーマン」とかぶるなぁ。
しかし、スーパーでアンジェリーナ・ジョリー演じる謎の美女フォックスと出会って、彼の運命は一転する。フォックスは秘密の暗殺組織「フラタニティ」の一員であり、主人公をスカウトするためにやって来たのだった。主人公の父親はフラタニティの一員で、凄腕の殺し屋だったらしい。しかし組織の「裏切り者」に殺された。父の敵を討つためにも、殺し屋にならないか、と誘うのだ。
実は主人公ウェスリーには、常人ばなれした能力が備わっていた。(ご都合主義)退屈で惨めな人生に別れを告げるべく、意を決して組織の一員になることを決意し、暗殺者になるための厳しい訓練を経て、新しい人生を雄々しく歩み始めるのだったが・・・?
というのが大まかなストーリー。予告編の目玉、アンジーが車のボンネットに身を投げ出して銃を撃つシーンは、けっこう最初の方に出て来る。あのシーンだけで映画が観たくなってしまうほどカッコいい。とにかくこの映画はほとんど「アンジェリーナ・ジョリー主演」と言ってもいいくらい、アンジーの派手で華麗なアクションシーンが全編に散りばめられている。(実際の主人公はタムナスさん)
それにしても、この映画でのアンジーの女っぷりは凄い。やはり彼女には文芸作品より、アクション映画が似合う。これほどセクシーで、ワイルドで、分厚い存在感のある女優は他にいないだろう。豪快なガンファイトの中でも女らしい体のラインを強調したアクション。銃を撃つ時のキッとした表情。純粋な白人なのにあの厚い唇。ラテンな曲線メリハリボディ。今回映画の中でヌードを披露していたが、女の私でも「おおっ(///∇//)」と思ってしまうほどきれいなお尻をしていた。全編通して「アンジー姐さん」と呼びたくなるほどのかっこ良さである。
基本的にはドンパチドッカンの超アクション映画なのだが・・・もう、何台車が廃車になったか、巻き添えで何人人が死んだかって言うくらいの。しかし、ストーリーはそれほど単純でなく、物語の中盤で二転三転し、どんな結末を迎えるのか分からなくなって来る。絶対的に正義だと思っていたものが実は正義でなく、敵かと思えば完全な敵でもない。謎の美女フォックスも一体何を考えているのか分からず、主人公ウェスリーは大いに葛藤する。何が幸せか、どんな人生が正解なのか・・・最低だと思っていた自分の人生が実はこの上なく恵まれたもので、暗殺者になってからの毎日は虚構だったのかも知れない・・・ウェスリーは自分の選択が間違っていたのかも知れないと悩み、結局何をやっても自分はバカでダメで、生きる価値が無いのではと思いつめてしまう。こういう所は他のアクション映画にはない複雑さだと思う。演技派と言われるタムナスさんが、主人公役に選ばれた所以なのだろうか。冒頭での冴えない男が、訓練によって次第に自信に満ちた精悍な男に変わって行く。しかしそれだけでは終わらず、結局もともとのナイーブで傷つきやすい面も出さなければならないのだから、これは難しい役だろう。ちなみに吹き替え版の声はDAIGOが担当しているらしい・・・大丈夫なのか?
ネタバレになるので結末は書かないが・・・なるほどそう来たか、結局そう来るしかないんだろうな、と思わせるラスト。アメリカ映画らしい終わり方ではある。しかし演出がけっこう洒落がきいていて、単なるアクション映画のラストっぽく無かった。ちょっとだけハリウッドテイストが薄いかな?皮肉な台詞回しは、イギリス映画っぽくもある。(そういえばジェームス・マカヴォイはイギリス人)
「ウォンテッド」意外とオススメである。文句無しに面白かった!DAIGOがんばれ~!