昨日、弟の脳腫瘍の手術が終わった。何の問題もなく成功したそうだ。ホッとした。


 残念ながら、弟の腫瘍は悪性だった。4段階で2。3か4だと余命1年から3年の悪性で、1だと良性。2は微妙なラインらしい。基本的に良性で一部悪性ということか。或いはその逆か。一体どっちなのか。


 弟は21日に入院した。入院手続きの歳には私も付き添った。母と私と弟の妻。3人の身内の女に付き添われて、まるで小さい子供のよう。病気が病気だから、仕方がない。弟の病室は個室で、ソファと冷蔵庫、洗面台に専用電話まである。ちょっとしたビジネスホテル並みの設備だ。ここなら。一ヶ月間、快適な入院生活かもしれないねぇなどと冗談を言って笑いあう。弟夫妻が席を外している時、母から腫瘍は悪性だったと突然告げられる。余りのことに言葉もなく、ただただうなずくしかできなかった・・・


 弟が戻って来る。顔を見るのが辛い。涙をこらえているのが精一杯だった。


 弟は私たちがいる間終始笑顔で、冗談ばかり言っていた。この病院、かわいい看護師さん多いんだよな、とか、病院食に飽きたらマックに食べに行っちゃおうかな、とか。(なんとこの病院には敷地内にマクドナルドがある)内心不安でたまらないだろうに、努めて明るく振舞っていた。この子はいつからこんなに強くなったのだろう、幼い頃の、泣き虫だった弟を知っている私にはひたすら意外だった。


 弟の気遣いは妻のためだろう。妻に心配をかけないように、不安にさせないように、本心を隠して気丈に振舞っているのだと思う。義妹も、なんでもない病気のように笑顔でいる。きっと、胸が張り裂けそうなはずなのにおくびにも出さない。結婚して1年だというのに、この夫婦は確かな絆で結ばれている・・・39の私より、29の義妹の方が、余程大人に見えた。


 今朝義妹から来たメールによると、弟は麻酔が覚めてから痛みが出始め、昨夜は殆ど眠れなかったそうだ。義妹は徹夜で側についていたと言う。「側にいてあげることしかできないのが辛いけど、でも静かに側にいます」弟には義妹がいてくれて良かった。何より心強かったと思う。


 弟は1ヶ月入院する予定だが、経過がよければ2週間程度で退院できると言う。弟の若さと、回復力に期待したい。弟の病気はきっと治ると信じたい。弟は家族のため、何より義妹のため、元気にならなければならない。