「山おんな壁おんな」というドラマがある。男が職場でする猥談をそのままドラマにしたような内容なのだが。「わたしたちの教科書」の後番なので、惰性で見続けている。内容はくだらないが、アッケラカンとしているのでけっこう笑える。深田恭子は可愛いし、伊東美咲は新境地を開拓している。私は伊東美咲、けっこう好きだ。文句なく美人だし、声が知的で品があるから。


 このドラマ、夫も気に入っているらしく、ゲラゲラ笑いながら見ている。(私はゲラゲラとまでは行かないが・・・)

ある時、ドラマ内で「セクハラの定義」を決めるシーンがあった。女子社員が男子社員の行動を、セクハラかそうでないか決めるというものだ。「肩に手を置く」という行為も、イケメン上司ならOKで、キモ系同僚ならNG。まったくの主観で判断していて笑える。


 夫が、「なんであれがセクハラなの?」と聞いてきた。「されてイヤだと女性が感じたら、それはもうセクハラなんだよ」と私。「でも、悪気がない場合だってあるじゃん。胸が大きいって噂することもセクハラなのか?バカにしてるわけじゃなく、むしろ褒めてるのに?」


 ・・・そうか。ここに男と女の意識のギャップがあるんだなー。確かに男性側からすれば、痴漢行為やレイプじゃあるまいし、何故あれだけのことがそんなにイヤなのか、分からないこともあろう。悪気でやってるわけじゃなし、一種のコミュニケーションだよと。しかし、その「コミュニケーション」は限りなく一方通行だ。女の側から言わせれば、男性がコミュニケーションだと思ってやることは、ほとんどが「ハラスメント」だ。


 例えば・・・体に触る(胸や腰以外でも)、胸の大きさを問題にする、容姿、年齢を問題にする、結婚してるかしてないか、恋人の有無を問題にする・・・これらは全部、「コミュニケーション」ではなく、「ハラスメント」だ。私がOLをやっていた20年前とは違い、今は各企業に「セクハラガイドライン」なるものが設けられ、指導用のパンフレットまであると言う。男性社員はガイドラインから逸脱しないように、しっかりと監視されているという訳だ。昔と違って女性を守る制度がしっかり整い、喜ばしい限りだが、男性側が納得していなければ、いくら制度を整えたところで意味はなく、男性側にも不満が募る一方かも知れない。ドラマの中でも「女子社員と怖くて話せない。『セクハラだ』と言われそうで・・・」と怯えている男子社員がいた。


 「何故イヤか」という理由って、考えても分からないものなんだろうか。きっと分からないんだろうな。女性側の「イヤな理由」も、もしかしたら千差万別かも知れないし。「とにかくイヤだって言ってるんだから、しないのが無難だ」って感じなのだろう。女性側も「何故イヤか」をはっきり伝えて来なかったのかも知れない。(それをはっきり自分で分かってないと、何でもかんでもセクハラだ!と責め立ててしまうのかも)


 まだセクハラという言葉も無く、男性社員はセクハラし放題だった時代にOLだった私の意見なのだが・・・職場でのセクハラがイヤな訳は、それをされたことによって、「自分が世界で一番マヌケな存在に見える」からだ。まじめに仕事してるのに、何の脈絡もなくいきなりお尻を撫でられたり、「ところで彼氏いるの?」なんて全然関係ない話をされたり、「お前○カップなんだってな!」と大声で言われたり・・・。一体私って何?と思いたくなる。屈辱以外の何物でもない。


 男性の皆さん、こんなシーンを想像してみて欲しい。あなたはものすごく頑張って、会社にとって重要な新プロジェクトの企画書を作りました。それを女性上司の所に持って行き、評価を求めます・・・



課長、例のプロジェクトの企画がまとまりました!


あら、鈴木クン、ご苦労さま。やっぱりイケメンは仕事が早いわねぇ~


( ̄ー ̄;(イケメン関係ねーじゃねーかよ) 目を通して、ダメ出しして頂けますか?


はいはい、ねぇ、ところで君、いいカラダしてるわね、学生時代何かスポーツやってたの?


(゜д゜;)(はぁ?)ええ、まぁ、アメフトを少々・・・


アメフト!すってき~この厚い胸板!(と言って胸を撫で回す)私マッチョなオトコって好みなのよ~


( ̄Д ̄;; (何言ってんだこの女・・・)あ、そうすか・・・あの・・・企画書を・・・


ねぇねぇ、こっちも強いのぉ?(と言って股間に手を伸ばす)


。(;°皿°) (げ!何しやがんだこのブタ女!)あの、すみません職場では不適当な話題かと思いますが・・・


固いこと言わないの~コミュニケーションよコミュニケーション!も~冗談だってば~マジに取らないの!企画書、目通しとくから他の仕事して。


( ̄ー ̄; はい、分かりました・・・(ふざけんな!ヽ(`Д´)ノ)



 どうでしょう?まぁ極端な例なんですがね。仕事熱心な鈴木クンは、セクハラ上司の手にかかると、「イケメンでマッチョでアッチが強い男」に貶められるのです。仕事ができるとかできないとか、関係ない世界に連れて行かれるのです。


 似たようなことを私は散々されてきた。しかもする側もいつもいつもそんなことばっかり言ってるわけじゃなく、真面目な話もすることもあるから余計にタチが悪い。さっきまで真面目な話をしてたのに、いきなりお尻を触ったり、耳元に息を吹きかけたり、ブラの紐を背中からパチンとやったり、「夏ばちゃんて処女?」なんて聞いてきたりするのだから。こちらは戸惑うばかりで、どう対処していいか分からなくなる、その困っている様子を見て楽しむらしい。悪趣味極まる。


 だから、「うまく対処できないお前が悪い」みたいに言われて、自分でもそう思い込んでいた。冗談なんだもの、軽くかわせない私が悪いんだ・・・と。でも違ったのだ。そういう低俗なコミュニケーションしか取れない方に問題があったのだ。女性と、というか人と心地よいコミュニケーションを取る方法を、そもそも知らないのだ。


 仕事をするのに、胸や尻の大きさ、容姿、恋人の有無は一切関係がない。業務に関係のないことで揶揄されたり、評価されたりするのはとてつもなく理不尽で、不快。それだけのことだ。


 あくまで私見なので、全ての女性が私のように感じている訳ではないと思う。だが、私の考えに賛同してくれる女性も少なからずいるはずだ。


 あ、ちなみに全ての男性社員からセクハラされていた訳ではありません。むしろ一部で、紳士的な男性が大半でした。でもその「一部」が、厄介だったんだよね~(;´▽`A``


 色々意見はあるだろうが、「セクハラ」という言葉が定着して、私は良かったと思っている。女が職場で理不尽な我慢を強いられることが、無くなったのだから。