映画「愛ルケ」の封切りが、いよいよ明日に迫った。
愛ルケといえば・・・いわずと知れたにっけいさんの超人気ブログの、「今日の愛ルケ」である。ちなみに「愛ルケ」という略称を考え出したのはにっけいさんらしい。
私がブログにはまったきっかけは、このにっけいさんの「今日の愛ルケ」である。雑誌アエラが渡辺淳一の特集を組んだ時、「愛の流刑地」に突っ込み倒している面白いブログがあると、にっけいさんの「にっけいしんぶん新聞」 が紹介されていたのだ。記事を読んでみてあまりの面白さにすっかりはまってしまい、一日何時間もかけて、数日かかって「今日の愛ルケ」の過去記事を読破してしまった。
それ以降も更新を心待ちにし、にっけいさんの鋭い突っ込みと読者のみなさんの秀逸なコメントに、手を叩いて大爆笑する日々が続いた。その内自分でもコメントを入れるようになり、たまに自分のコメントに他の人から反応が返って来ると嬉しくて、更にはまっていった。あの頃は幸せだったなぁ・・・。
愛ルケ連載中から、その小説のあまりのヘッポコぶりを、にっけいさんのブログを通して突っ込んだり爆笑したりしてきたから、その映画がいよいよ公開されるとなると感慨深い。(色んな意味で)「今日の愛ルケ」上で、映画化されるとしたら主演は誰、監督は誰などと、みんなで予想したりした。大半の読者は映画化に反対で、私もその一人だったのだが、どうせ渡辺淳一の圧力とメディアの商業主義で、ほっといても映画化・テレビ化されてしまうんだろうな~なんて思っていたら、ほんとにそうなった(笑)。
一体誰が菊冶と冬香をやるのか、と思っていたら、トヨエツと寺島しのぶだという。しかも菊冶の年齢が10も若返って、45歳になっているという・・・。この時点で原作とは別物と考えるべきだろうな。原作ではセコくて情けなくて幼稚で貧乏な50過ぎのオヤジだった菊爺が、セクシーでミステリアスな男盛りに・・・。そして同じく頭がちょっと弱くて主体性がまったく無くて何の面白みもない主婦だった冬香が、道ならぬ恋に命をかける情念の女に・・・なるのか?
原作通り映画化したら、間違いなく俳優が尻ごみするような魅力の無い登場人物たちを、監督と脚本家のアイデアで作り変えたのだろうか。もし映画が感動的だったら、ズンは「原作者」と名乗る資格は無いな(笑)。
私は豊川悦司が好きなので、実は映画にはちょっと期待している。寺島しのぶも、原作と違って血の通った女性として演じてくれそうだ。原作の冬香はとことん魅力のない女だった。連載当時私は冬香と同じ36歳だったのだが、「こんな女、おらんわ!」と突っ込み倒しながら読んでいたものだ。渡辺作品のヒロインは大体人格が無いんだけれども、この冬香は特にひどかった。「爺さんの脳内妄想が生んだ生身のダッチワイフ」だった。菊冶にしても、作者が自分を投影しているのが丸分かりで、50代の男にしては言動や考え方がじじむさく、(そのくせ性欲だけは人並み以上)どうみても単なるエロジジイだった。
40代のトヨエツが演じたなら、会う度にすぐセックスになだれ込む二人のただれた関係も、激しい行為の延長線上で冬香の首を絞めて殺してしまうのも、拘置所の中で「国家への反逆」と称して耽る自慰も、「究極愛」の末の行動として映るのだろうか。あの「三文エロ小説」が、「相手を殺したいほど愛し合った男女の、激しくも美しい恋の物語」に変換されるのだろうか。
連載中は、冗長で退屈な文章と小松久子画伯の低体温なテイストの挿絵のおかげで、いまいち盛り上がりにかける話だと思っていたが、予告編を見ると、ものすごく波乱万丈な感じに仕上がっている。「その手で その手で 私を汚して~」と平井堅が半裸で熱唱してるし。ひょっとしたら泣ける映画になってるかも知れないなぁ。
トヨエツファンとして、一応、観に行く予定だが・・・どうしよう、感動して泣いちゃったら。
追記: 「にっけいしんぶん新聞」リンクさせていただきました。