捜査は終わっていないのか-。検察当局が2年前の福島県知事選を巡る公選法違反容疑(被買収)で、県議の立件を視野に入れているのではないかという情報が、福島県議会に動揺を広げている。県議会がすでに「潔白宣言」を出してしまっているため、立件が事実なら、議会全体の責任問題、つまり「県議会解散」が浮上する可能性があるからだ。県トップの逮捕で地に落ちた福島県政の威信。さらに冷水を浴びせかける事態になるのか。(内藤慎二)
「公選法はわれわれにとって最大の守るべき法律。県議会解散も大きな選択肢の一つだ」
16日午後、福島市内の自民党県連本部。会議を終えた遠藤忠一幹事長は、取り囲む記者団に対して、躊躇(ちゅうちょ)なくこう答えた。
「平成16年9月に行われた知事選を巡り、前知事の実弟から県議に現金が渡っていた」。そんな情報が県議会を駆けめぐっていた。
福島地検が東京地検から捜査を引き継ぐとされ、立件の可否をめぐり、最終決断の時が迫っているという観測も広がる。
最大会派の自民県連幹部が「解散」という重い言葉を持ち出した背景には、この疑惑が最初に持ち上がった直後の10月11日、県議会が総意で出した「潔白宣言」がある。
この時は、一度は全県議が疑惑への関与を否定したために「潔白宣言」を出して、かろうじて体面を保った形となったが、舌の根も乾かぬうちに県議のなかから立件対象者が出れば、県議会の責任が問われるのは避けられない。
「報道が事実ならば、重く受け取らなければならない」。遠藤幹事長は厳しい表情を崩さなかった。
とはいえ、「わが身はかわいい」のが人間の本性だ。県議の多くは与野党を問わず「立件された県議だけが責任を取ればいいのではないか」との考えを示しており、全員が“失業”する解散に否定的な声が大勢だ。
ある県議は「新人なら現職県議を批判できるから有利。もともと来春の県議選までわずか半年の時期で、新人の準備は万端だ」と話し、解散による出直し選挙では、現職県議が苦戦を強いられると分析する。
特に筆頭与党として前知事を支えた自民党所属県議の焦りは深刻だ。
出直し知事選で、党が推した候補が、民主党などが推薦した佐藤雄平知事に10万票差をつけられ大敗。坂本剛二前県連会長が敗因を「(スキャンダルを受けて有権者が)自民とは別の県政を求めたのかなと思う」と振り返ったばかり。さらに「出直し県議選」ともなれば、自民党が県議会最大会派の座から滑り落ちる危険も出てくるからだ。
別の県議はさらにこう話す。
「年内に解散すれば、重要案件の議決が予定される12月定例県議会がなくなってしまう。それに、年明け県議選となれば、新年のあいさつ回りが公選法で禁止される戸別訪問と誤解されるのでできない。マスコミはあまり解散をあおらないでほしい」
地方議会解散に関する特例法によると、解散には議員の4分の3以上が出席し、5分の4以上の同意を得る必要がある。可決されれば40日以内に出直し選挙が行われる。
解散を避けたとしても、来年4月予定の県議選まで時間は少なく、現職県議が信頼を取り戻すのは大変そうだ。
12日の知事選と同日実施された県議補選で初当選を果たした室井照平県議は17日、県庁内の自民党控室で自嘲(じちょう)気味にこうつぶやいていた。
「(当選したばかりだが)解散となれば、それは受け入れるしかない。議員は戦い続けることが必要。有権者が(当選直後の悲劇と)同情してくれればありがたいけど…」
立件されるのかどうか。県議会はどんな対応をするのか。福島県政は、まだ暗中模索を続けている。
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■アンケートをしたものの…
福島県市民オンブズマン(広田次男代表)は21日、2年前の知事選に絡み、県議56人に発送したアンケートの集計結果を発表した。自民党所属の19人を除く議員から回答を受け、全員が選挙資金の受け取りを否定したという。
アンケートは、「佐藤前知事の弟や選対関係者から選挙資金を受け取ったか否か」「佐藤前知事の談合関与を知っていたか」など6つの質問で構成。今月上旬に発送し、同日までに37人の県議から回答を得た。
選挙資金については回答した全員が受け取りを否定。談合への弟の関与については、1人が「知っていた」と答えた。
多くの自民党所属県議から回答が来なかったことについて、広田代表は「回答はこなかったが、それは県議の方々の考え。推測してとやかく言うのは礼を失する」と話した。
(11/22 04:40)
http://www.sankei.co.jp/local/tohoku/061122/thk000.htm
県議会の「潔白宣言」ですか。誰も信じてないって。
そのうち激震がはしりますよって。